七話 本音(多分)を聞いてみた
今日も今日とて学校に来た。
さすがにあのクソ女は半ば孤立状態だなぁ…まぁあんなのを暴露されたらね。
結構はっきり声聞こえてたから間違えずらいし、なによりアイツが認めちゃったからねぇ。
「おすおすお前ら」
「
「やぁやぁ
俺の挨拶に少し困りながら返事をする友人たちと、めちゃくちゃ元気な
あんな事があってから、友人たちは俺の顔色を
まぁしばらくはこのままだろうが、実際彼らは別になにか害をなしてきたわけじゃないからな。
そこまで気にしなくていいんだが…まぁ余計な奴らが増長しても困るからそのままでいいか。
ちなみに
いや何故なんて分かりきってるんだが…。
そうこうしてるといきなり後ろから声を掛けられた。
「ハル君…」
あぁ、なんだ
「ん?あぁおはよう、
「ぅ……名前…」
ん?何か言ってるが名前でも間違えたかなぁ!(すっとぼけ)
「なんだよ、今更馴れ馴れしくすることもないだろ」
「それは…ごめんなさい…」
なんか凄い落ち込んでるっぽい。ここまで落ち込むのなら何であんなことをしたんだよ。
面倒臭いがちょっとだけ構っていると希は呆れたよう溜息を吐いた。
「
「言われずとも」
いい加減そろそろ
まぁまた友人に連れてかれてたけど。
そんなことが休み時間の度に起こるので、昼休みにちょっとした提案、というよりコイツを利用することにした。
敢えて人気のない場所に来てみたが案の定コイツはのこのこと付いてきた。
あのクソ親父から俺が有利になる証言を引っ張り出せ…そう伝えた。
「うん…なんとかやってみるね」
「なんとかじゃダメなんだよ、必ず証拠を掴め。録音でも録画でもいい…まぁ顔が見えてた方がいいけどな」
「分かった、それがハル君の望みなら」
信用していいのか分からんか、あくまで証拠が取れればいいな!くらいにしか考えていないのでまぁいいか。
「…はぁ…そこまで言うならなんであんな事したんだよ、お前のせいでこっちゃ傷だらけ。家にも居場所はありゃしない」
「うぅ……ごめんなさい」
相変わらず謝罪ばかりだが、俺はそんな言葉が聞きたいんじゃない。
「謝罪じゃなくて、なんであんな事したのか聞いてんだよ耳ねぇのかカス」
イラッとしたので強い口調になる。
しかしどう言えばいいか分からないみたいなので、立ちっぱなしも足が辛いので適当な場所に座って昼食を食べながら答え易いように質問を投げる。
「まず、クソ親父とヤった理由は?」
正直飯を食いながらするような話題ではないが、そんな事は気にせずにモグモグとコンビニ弁当を食べる。
「あの人から''お金を払うからヤらせてくれ''って言われたの、一回で五万とか貰えるから、気付いたら楽しくなってて…」
確かにあの
なんてバカな話だ、まったく呆れるよ。
「それじゃ、なんであの時あのクソに付いたんだよ」
「そうすれば追加でお金をくれるって言ってたから…まだもらってないけど」
「ほぉ、そりゃまた」
まぁ後日渡す予定だったんだろうが、いいネタだな。
この話について色々聞き出してもらおう。
「うん、その事について色々話してみる…それとね?」
「あん?」
莉乃がなんか勿体ぶっている。
「やっぱり…あの人とするより、ハル君とシてた方が良かったなって…ごめんね、こんなこと言って」
「はぁ…まぁ好きにしてくれ」
「……だから、もし私がハル君の役に立てたら…抱いて欲しい」
「え、キモっ自分が何したか分かってんのか?」
意味わからーん!なんだよこのメンヘラみたいなの!
あれか?ヤってる時は満たされるみたいな?必要とされたいみたいな?
「ハル君が好きなの!それは本当!」
「お前はその好きな人が酷い目に合ってるのに笑ってたんだぞ、しかも一緒に嘘までついて…
昼飯も食い終わったので立ち上がる。
「……まぁなんだ、もしお前が本気で反省してて、きちんと償うってのなら、考えてやってもいい…それだけ、じゃあな」
そう言って振り返らずに立ち去る。
彼女のツラは拝めないが、どうでもいいので足を進める。
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「考えてもいい…か…」
私はそう独りごちる。
振り向きもしなかったハル君を見ると、きっと言っただけなのだろう。
それでも私は、文句を言える立場じゃない。
あれだけの事をした私は、あの時彼とすぐヨリを戻せるだなんて本気で考えていた。
今になって考えると有り得ないよね。
そして昨日の朝、あの音声た時は冷や水を掛けられたのかと錯覚するほど背筋が冷えた。
「馬鹿だなぁ…ホントに…」
誠実な彼を裏切って、あんなおっさんに身体を売って…後悔ばかり。
昨日は両親にも怒られた。
二人ともハル君の事は凄く気に入っていて、私たちのことを応援までしてくれていた。
……私はそれを壊してしまったけど。
だから父さんも母さんも、ハル君の望みは必ず応えろと言っていた。
なら私の出来ることをするだけ…たとえ命を懸けてでも。
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