六話幕間 母として
先日、
彼はどうやら知り合い
ツヨシくんと初めて会ったのは私が元夫と離婚して一ヶ月と経った頃。
晴政と彼が思い切り喧嘩したところを警察に補導され、晴政の身元引受け人として私に連絡が来たことが始まりだ。
もちろん愛しい晴政の為にすぐに交番に行ってあの子を迎えに行った。
そこにいた晴政は、私を呼び出したことを謝っていたけどそんなこと全然気にならないほどに嬉しかった、晴政を引き取らなかった私が親として頼られるなんて、それが凄く嬉しくて抱きしめた。私の可愛い息子。
ボロボロになっていて傷だらけなのは心配になったけれど、思ったより元気そうな晴政に安心した。
そして、その時に一緒に
喧嘩を通じてすっかり意気投合した二人は、私の家から出る頃にはとても仲良しになっていてとても微笑ましかった。
どうやら彼の親はネグレクトだったらしく、私の作った料理に涙を流してがっついていた。
手料理を食べたのは久しぶりだと言っていて、まだ子供なのにそんな辛い思いをしている子がいることに悲しい気持ちになった。
久しぶりに会ったツヨシくんはだいぶチャラチャラとしていて驚いたけど、彼はその時のことを凄く感謝しているようで、見た目によらず物腰はとても柔らかかった。
晴政はどうやら私の連絡が書いてあるメモを無くしてしまったらしい。
そもそも私も電話番号を変えていたので、どちらにせよ連絡手段がない。うろ覚えでもなんとか電話を掛けてくれようとしてくれたらしいのであの子には悪い事をした。
でも
晴政を傷付けたあの男は絶対に許さない、 今はまだ何が出来るわけでもないけれど、必ず晴政を取り返して痛い目を見せてやる。
息子が苦しんでいるのに何もできないと思うなよ、
私はそう決意して、晴政と会うための予定を考えるのだった…
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