夕闇
「嘘!!」
美郷は握っていた手の力を強くし汗ばんだ。
「ほら、夕闇が近づいてきた」
美郷は空を見上げて言った。
「いやよ、美郷っ」
きらきらと、美郷は薄くなり、
何か伝えようとしていた。
唇を見ると、
「あ、い、し、て、る」
と言っているのが分かった。
美郷は消えゆく美郷の唇に唇を重ねた。
―塩辛い味がした。
やがて夕闇と共に花園も消えていき、
私は迷子になった。
to be continued........
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