とけあえない
「美郷」
「美郷」
私たちの名前を呼び合う声だけが、花園にこだました。
「こんなに好きなのに」
「愛しているのに」
私たちは、別々の個体。
癒えた途端、生まれくる孤独と、在ること、ただそれだけで傷ついて行く魂。
夕闇が迫っていた。
「美郷」
少女の美郷が綺麗な涙を流して言った。
「わたしね、夜になると消えちゃうの。花園ごと」
「嘘……」
to be continued.........
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