その後何でも手に入る財閥の主になった女が1番欲しかったものを手に入れられなかった話

あれから3年、私は財閥の主になった。

 

 私の婚約者だった奴は、私と婚約者になって1ヶ月で愛人を作り浮気をした。だからそれを材料に婚約者を家ごと潰した。

 

 そしてそんなクズ婚約者を用意して私と男さんを離れ離れにさせたバカなお父様も潰して財閥から追い出した。そして娘である私が財閥の主になった。

  

 ついでにこの3年間私を物理的に縛り付けていた使用人を全員解雇した。

 

 そして財閥の主になった私は好き勝手に使える金と権力と自由を手に入れた。

 

 私はこれを全て費やしバカなお父様が追い出した男さんを捜索した。

 

 そして遂に男さんを見つけたと言う報告を聞いた。私は直接迎えに行く事にした。

 

 その場所は私が支配している○○県よりも遠く離れた田舎。老人しか住んでいない限界集落。そこに男さんはいた。

 

 男さんは農作業をしていた。土に汚れていたがカッコよかった。だけど今更何を話せば良いのかが分からずに男さんが農作業している所を見る事しか出来なかった。


 そして勇気を出して男さんに話かけようとしたその時、知らない若い女性が男さんに話しかけていた。男さんはその女性に笑顔を向けていた。


 それを見た私は男さんに声をかける事なく帰った。


 私は分かってしまった。

 

 男さんは既に私ではない女性と愛を育んでいる事を、そこに私が入る余地がないと言う事を。


 そして私は1番欲しかった男さんを手に入れられずに誰とも結婚する事なくその生涯を終わらせたのだった。

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まともな恋愛やラブコメが書けないシリーズ 笑顔の傘 @iti5uma1

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