身分違いの彼氏と愛を育んでいたが親によって破局させられた女

私は名前は『女』。私は○○県を支配している財閥のお嬢様なのよ。そんな私には付き合っている人が居る。

 

 それは『男さん』と言う人。男さんは私とは違って庶民なの。だけど私達は身分関係なく付き合っているの。もちろん親には内緒で。


 男さんは私の持っている権力を目当てに接してこなかった。大体の人間は私の権力を目当てに近づいて来るのに。男さんだけは素の私を好きになってくれた。


 そんな男さんに私は惚れた。私から告白した。そして私達は恋人になった。

 

 私と男さんは愛し合っていた。身分は違うけどそれでも愛し合っていたの。私は幸せだった。

 

 だけどそんな私の幸せはあっさりと消えた。

 

「バカ娘よ。お前に婚約者を用意した。この写真に写っているのがお前の婚約者だ。今日からお前はこの婚約者と夫婦関係になる。

 それとお前は勝手に庶民と付き合っていた様だな。お前は隠し通してたつもりだっただろうがとっくの昔から知ってたぞ。

 お前と付き合っていた庶民は『我が財閥を乗っ取ろうとした罪』として身ぐるみを剥いでこの県から追放した。あの庶民がこの県に居ればお前の婚約者に不快感を与えるからな。

 話はこれで終わりだ。この後お前の部屋に業者を入れてお前が庶民と付き合っていた証拠を処分する。ここで大人しくしておくんだな。

 おい!バカ娘を拘束しておけ!多少手荒くしてもワタシが許す!」


 お父様がそう捲し立てると私はメイドに拘束された。私は突然の事に抵抗できずに無力化された。


 そして次の日、私は好きでもない婚約者と夫婦関係になった。私と愛し合っていた男さんはもういない。お別れすら言えなかった。もう2度と男さんとは会えないだろう。


 私は逃げ出せない。私の部屋の前には何人もの見張りが付いている。そして私がどこかへ行こうとするとすぐさま拘束されてしまう。


 私は自由に飛んでいた鳥から鳥籠の鳥になってしまった。


「ああ、男さんとに会いたい。可能ならこの屋敷から飛び出してどこかに居る男さんに会いに行きたい。」


 その呟きを聞いたメイドに私はまた拘束されたのだった。

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