高校デビューで破局した後の話
彼と別れたあの日から私の高校生活は灰色だった。「高校デビューを成功すれば高校生活は色鮮やかになる」とイメチェン前に陽キャの姉が言っていたが私はイメチェンした事で高校生活に色が無くなった。何なら中学の時の方が色鮮やかだった。
あの日から私は死んだように生きて高校生活を送っている。そんな私の気持ちにも気づかない自称人の気持ちが分かるカースト上位共は私に陽キャとして生きる事を強いている。まぁどうでも良くなった私はそれを流されているけど。
そんなある時、休みの日に陽キャ共に連れられて人の多いショッピングモールを回っている時に見てしまった。
私と別れた彼が知らない女とデートしている所を。フードコートで昼ごはんを食べながら知らない女と笑い合っている。
なんて楽しそうなんだろう。あそこは高校に入る前までの私が独占していた場所だったのに。
そんなショックを受けながら彼と笑い合っている女を見る。その女は中学の時の私みたいな地味な女だった。私は名前も知らない地味な女に私だけの場所を奪われた。
「やめてよ!そこは私だけの場所なのよ!私だけの場所を盗らないで!」
その事実を受け入れられず、私は多くの人がいるショッピングモールで発狂した。大声で叫んだ。すぐに彼の元へと走り出そうとしたが陽キャ共に押さえつけられた。
「離してよ!あそこは私だけの場所だったの!私だけの彼氏だったの!ポッと出の地味な女なんかに盗られたく無いの!だから離してよ!」
私は陽キャ達を殴って蹴る。すると周りにいた人たちも私を押さえつけに陽キャ共に加勢する。数に負けた私はそのまま押さえつけられた。その私の目の前で騒ぎから逃げる彼と女が目に入った。
「待ってよ!逃げないでよ!何で私から逃げるのよ!私の事が好きだったのでしょ!戻ってきてよ!」
そんな叫びも虚しく彼と知らない女は人混みへと消えて行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます