第112話 興味が湧いたからって玩具扱いしないでほしいんだが
アビリティが封じられたら、ブレイゴズは通常攻撃しかできないから装備している
【
だからこそ、アビスライダーの【
「ドラクール、【
「かしこまりました」
アビスライダーを目掛けて振り落とされたブレイゴズの
その瞬間、得物を失ったブレイゴズが二足歩行から四足歩行に代わり、ドラクールに【
「アビスライダー、【
「はいは~い」
攻撃直後の隙を突いてドラクールを攻撃するブレイゴズを狙い、アビスライダーの攻撃がブレイゴズに命中する。
深淵と雷を纏った怨殺槍アイサツが眉間に命中したことで、ブレイゴズが後ろにひっくり返ってダウン状態に陥る。
表示された追撃ボタンを鬼童丸が押せば、ドラクール達がブレイゴズを袋叩きにしてHPを半分以下まで削り取る。
その時には時間経過によって沈黙状態が解除され、四足歩行のままブレイゴズが【
「ドラクール、【
「承知しました」
オーラを放つ【
リビングフォールンの【
「アビスライダー、もう一度【
攻撃した直後の隙は突かせてはいけないから、鬼童丸はドラクールの攻撃が終わった直後にアビスライダーの攻撃をブレイゴズに命中させる。
ブレイゴズのHPが残り1割近くまで削れていたけれど、沈黙状態が解除されたことで【
「リビングフォールン、【
「OK」
リビングフォールンの【
既に【
「ドラクール、【
「仰せのままに」
動きの鈍ったブレイゴズに接近し、ドラクールが【
『鬼童丸がLv94に到達しました』
『鬼童丸の称号<八千代の主>が称号<八千代町長>に上書きされました』
『鬼童丸の称号<八千代町長>が称号<鏖殺伯爵(冥開)>に吸収され、八千代町が飛び地として冥開に属します』
『鬼童丸が称号<オリエンスの玩具>を獲得しました』
『ドラクールがLv44からLv50まで成長しました』
『ドラクールの【
『ドラクールが【
『ドラクールが【
『アビスライダーがLv42からLv48まで成長しました』
『アビスライダーの【
『アビスライダーが【
『リビングフォールンがLv32からLv42まで成長しました』
『リビングフォールンの【
『リビングフォールンが【
『オリエンスの蝋燭とブレイゴズを1枚手に入れました』
(わかってたけどメッセージが多い!)
イレギュラーな緊急クエストが発生したから、それをクリアしたことで通知されるシステムメッセージの量が多くなるのはわかっていた。
そうだとしても、これだけの量となれば鬼童丸だって多過ぎると言いたくなるのも当然だ。
オリエンス関連のものは後回しにするとして、鬼童丸はブレイゴズ戦に参加した従魔達の強化について確認する。
まずはドラクールだが、【
その結果、【
魔法系アビリティを除く攻撃による被害を半減し、受けた魔法系アビリティはMPの回復に充てられる上、HPが減ればMPをHPに変換して回復できる。
アビリティ名に
アビリティの統合によってドラクールが新たに会得したアビリティは2つあり、【
【
【
次にアビスライダーについてチェックするが、【
【
ガンガン攻撃する時には持って来いなアビリティだが、防戦が予想されるタイミングでは扱いに注意が必要と言えよう。
空いたアビリティ枠に追加されたのは【
任意の座標に盾を創造し、その盾に当たった攻撃をした者のSTRとINTの合計値が使用者のVITとINTの合計値を下回る場合、その攻撃が攻撃した者に跳ね返る。
続いてリビングフォールンだが、【
使用者のファンサービスアクションがトリガーになり、味方全員に統合元になった属性の付与と能力値10%上昇、HPの継続回復効果がある。
深淵属性を使っているリビングフォールンが【
【
ここまではスラスラと確認できたが、問題は新たな称号と緊急クエストの報酬らしいアイテムだ。
それらを確認しようとした時、オリエンスがスッと鬼童丸と距離を詰めて顎をクイッと持ち上げていた。
「マスターから離れなさい!」
「騒ぐんじゃないわ。さもないと、お前のマスターを炭化させるわよ?」
音もなく一瞬で距離を詰められてしまったため、強くなったとはいえ今のドラクールではまだオリエンスには勝てないだろう。
鬼童丸はドラクールを手で制してオリエンスに訊ねる。
「地獄の悪魔ってのは顎クイが好きなのか? パイモンにも同じことをされたんだが」
「…妾が二番煎じなのは不愉快ね。止めてあげるわ」
純粋な疑問をぶつけてみたところ、オリエンスは鬼童丸の顎から手を離して少しだけ下がった。
その隙にドラクールが鬼童丸の前に移動し、何かあっても鬼童丸は守ってみせると態度で示す。
「フン、良い主従関係ね。ネクロマンサーとはいえ、従者にそこまで体を張ってもらえるなんて滅多にないことよ。益々興味がお前に湧いて来たわ」
「興味が湧いたからって玩具扱いしないでほしいんだが」
「むしろ感謝してほしいわね。妾の玩具ってことは、生半可な存在じゃお前に手を出そうとはしない。手を出すとしても、それぞれの派閥の代表ぐらいじゃないかしら。まあ、妾から玩具を奪えば戦争待ったなしだから、ちょっとやそっとのことじゃ狙われないと思うけれど」
「そりゃどーも」
狙われるリスクが減ったのならば、称号名が<オリエンスの玩具>であっても鬼童丸は礼を言っておく。
中立派ゆえに全幅の信頼は置けないが、それでもないよりはマシなのは間違いないからである。
「それとお前が今持ってる蝋燭だけど、誰にも譲渡できない妾への連絡手段だから。妾が用事のある時はその蝋燭を通して話しかけるわ。これからもお前は玩具らしく妾を楽しませなさい」
伝えるべきことは伝えたということなのか、オリエンスは地獄の門を開いてその中に消えていった。
(面倒なマーキングをされたってことですね、わかります)
オリエンスが消えてぐったりした表情の鬼童丸は、やれやれと大きく溜息をついた。
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