第96話 デーモンズソフトからの詫びガチャってこと!?
翌日の日曜日、今日から9月ということはさておき、UDSのオフィシャルサイトで午前9時から本編で遊べると発表がその3時間前に発表された。
桔梗はそのニュースを宵闇ヤミの朝活配信で取り上げ、午後2時から午後6時まで配信を行うと発表した。
その一方、久遠は朝食後にやるべきことを済ませた後、自室でUDSに鬼童丸としてログインした。
コラボ配信は午後にやるけれど、その前にやっておきたいことを済ませるつもりだ。
日課の生産系デイリークエストをチェックしていたら、冥開の住民が増えたことによって更にデイリークエストの種類が増えた。
昨日と比べて増えたクエストの一覧は以下の通りだ。
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クエスト:生存者達の仕事を効率化させよう
ジャンル:生産
達成条件:冥開の生存者達の仕事を効率化させられるよう投資する
失敗条件:生存者達の好感度が低くて投資されたネクロを着服・持ち逃げされる
報酬:投資したネクロと同数の携帯食料・各種ポーション(ランダム)
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クエスト:リバースポーションを作ろう
ジャンル:生産
達成条件:リバースポーションの作成
失敗条件:なし
報酬:1,000ネクロ
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クエスト:ランダマイズポーションを作ろう
ジャンル:生産
達成条件:ランダマイズポーションの作成
失敗条件:なし
報酬:1,000ネクロ
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クエスト:ボムポーションを作ろう
ジャンル:生産
達成条件:ボムポーションの作成
失敗条件:なし
報酬:1,000ネクロ
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ランダマイズポーションとボムポーションは、昨日のコラボ配信で鬼童丸が宝探しをした際に報酬によって解禁されたアイテムだ。
ランダマイズポーションは使用した場合、3分間だけ使ったアンデッドモンスターの能力値がランダムに5%上昇する。
ボムポーションは味方に使うアイテムではなく、投げて爆発させる投擲武器だ。
これを量産すれば住民(NPC)も使えるようになるから、いざという時のために量産しておく必要があるだろう。
追加された分のクエストもさっさと済ませた後、鬼童丸はやって来たタナトスに話しかけられる。
「鬼童丸、大変だったな。獄先派に寝返った害悪ネクロマンサーに襲われたらしいじゃないか」
「害悪ネクロマンサーか。まあ、結果的に害悪ネクロマンサーだったのは間違いないな。地獄の門から現れたアンデッドモンスターにやられたが」
「獄先派もヘルオブシディアンを使い始めた。鬼童丸、用心しろ。其方は特に注目されているのでな。それと、中立派から公平性を保つために10連アンデッドガチャ1回分を無料で提供すると連絡があった。無料ならやっても良いと思うがどうする?」
(デーモンズソフトからの詫びガチャってこと!?)
中立派ゆえに獄先派がやり過ぎて本編に入れなくなったプレイヤー達に対し、いつもは10万ネクロ払わせて引かせる10連アンデッドガチャを1回だけ無料提供すると申し出た。
もっとも、それで必ず狙い目のアンデッドモンスターをゲットできるとは限らないから、向きになって何度も引いて大金を失うプレイヤーが出て来る可能性もあるのだが、それは自己責任である。
そこまで理解しているからこそ、鬼童丸は心の中で驚いた訳である。
しかし、鬼童丸は自制心に自信があったから頷く。
「引くよ」
視界に表示されたガチャのボタンをタップし、鬼童丸はアンデッドガチャのアニメーションを目にする。
その結果、Lv10が上限のアンデッドモンスターが7枚、Lv20が上限のアンデッドモンスターが2枚、Lv30が上限のアンデッドモンスターが1枚出た後、11枚目のカードはLv50が上限の当たり演出が出た。
(過去最高の結果な気がする)
大抵の当たりが出る時でも、10枚はLv10が上限のアンデッドモンスターで、1枚だけLv50が上限のアンデッドモンスターなのだが、今日はLv20とLv30が上限のアンデッドモンスターも出た。
これは総額10万ネクロは超えない成果ではあるものの、アンデッドガチャにしてはかなり当たりな部類なのだ。
当たりのLv50が上限のアンデッドモンスターだが、ボールクラッカーという女型アンデッドモンスターだ。
過去に掲示板において、アンデッドガチャ限定のモンスターとして挙げられたアンデッドモンスターである。
このままでは戦力として使えないから、鬼童丸はアンデッドモンスターのカード一覧を確認する。
その中でこれはという組み合わせがあったから、すぐに
素材とするのはボールクラッカーとキャプテンカルマ、フレッシュスライムの3枚だ。
青白い肌で瞳孔が開いている海賊船の女船長という外見なのだが、鬼童丸はまだ作業が途中なのでキャプテンイミテの外見について特に感想を持たない。
続いて、キャプテンイミテと昨日戦って手に入れたアンダーテイカー、そしてデスマスクラウンを
その光は普通の
エフェクトが収まったところで、鬼童丸の手には新たな融合アンデッドのカードがあった。
「
派手なバタフライマスク女型手品師が棺桶を想起させるバズーカを装備しており、デスマスクラウンよりも強そうな印象がある。
早速、鬼童丸はイミテスターのステータスを確認し始める。
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種族:イミテスター Lv:1/100
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HP:6,000/6,000 MP:6,000/6,000
STR:6,000 VIT:6,100
DEX:6,100 AGI:6,000
INT:6,000 LUK:6,000
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アビリティ:【
【
【
装備:棺桶砲ツタンカ
備考:なし
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(硬くてトリッキーな従魔だな。ありがたい)
イミテスターのアビリティについて、新出のものだけ鬼童丸はチェックしていく。
【
不幸状態になると、本来起こりにくい理由で自身に被害が出るから地味に厄介だ。
【
【
【
【
勿論、外見が変わるだけではなく能力値が船長モードと基本モードで異なるから、戦い方を変えられるという訳である。
タナトスはイミテスターを見て感心する。
「ふむ、これはまた面白い融合アンデッドじゃないか」
「タナトスがそう言ってくれるってことは、俺の選択は良かったらしいね。じゃあ、野木町に行って統治エリアを広げて来る」
「そうか。気をつけて行って来い」
鬼童丸はタナトスに見送られ、転移魔法陣を使って都庁から野木ホフマン館に移動した。
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