第3話
「京香ちゃん、おはようございます」
「美弥、おはよう。今日も可愛いね、でこの人が先生が言ってた男の子?」
「はい、そうです。こちらのお方は佐藤啓太君です」
美弥が俺の紹介をしてきた。俺は彼女に気に入られようと
「こんにちは、自分は佐藤啓太です。これからよろしくお願いします」
にこやかに挨拶する。
「これはこれはじゃ私も挨拶をしなくちゃね」
そう言うと彼女はダブルピースをしながら
「私の名前は高梨京香だよ。よろしくね。いえーい」
元気良く挨拶をしてくれた。
彼女にするならやっぱりこいつだなと心の中で決めて
「可愛らしい挨拶ですね。思わずドキッとしました」
体育会系女子あるある、女の子としては褒められた事ないの初めて〜作戦を決行する。
すると京香はにこやかに笑い
「ありがとうね。よく言われるけど直接言われるのは嬉しいね」
俺の思った反応とは違う反応をしてきた。
何故だ何故だと頭を回転させると俺は大事な事を思い出す。
ここ、アイドル学校だったわ。
俺は作戦失敗に少し恥ずかしくなりながらも冷静を保ちながら
「そうだと思いました。だって本当に可愛らしいですからね。京香さんと一緒に通えて光栄です」
「えー、何かそこまで言われるのは何か怖いな〜。何か目的があるの?」
「啓太君何かあるんですか?」
2人が鋭い指摘をしてくる。俺は少し焦りながらも必死に頭を回転させ
「目的ですか。それはもちろん皆さんと早く仲良くなって楽しい学園生活を送れたなと思いまして」
「なんだよ啓太。そんな事をしなくても良いよ、もう挨拶したんだからもう仲良しだよ」
「そうですよ啓太君。もう私たちは仲良しですよ」
2人がニッコリとする。
京香がチョロインそうで良かったなとそう喜んでいると
「京香ちゃん。そろそろ朝のホームルーム始まってしまいますよ」
「ありがとう、京香。じゃ私は行くね、啓太これからよろしくね」
「はい、よろしくお願いします」
「うん、じゃまた」
京香が自分の席へと向かって行く。
やっぱり攻略するなら京香だなと一息ついてると美弥が俺の肩を軽く叩いてきた。
何かやってしまったかと俺は緊張しながら美弥の方を向く。
「さっきは驚きました。啓太君が可愛いって言うなんて」
もしかして腹黒は自分以外の人間に可愛いって言った事が許せないのかと思い
「いや、あれは昔見てたアイドルに似てたから、思わずね」
「そうですか。啓太君はああいうタイプが好きなんですか」
少し不満そうな顔をしてくる。
美弥の機嫌を直さなくてはとそう思い
「昔はね、今は美弥さんタイプのアイドルが好きかな」
「本当ですか?」
美弥が俺の顔を怪訝そうに覗き込む。
俺はめんどくさいと思いながら、必死に頷く。
美弥は顔を覗き込むのをやめ
「そうですか、それは良かったです」
満面の笑みを浮かべていた。
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