第6話 無関係な痴話喧嘩ほど気の遠くなるものは無い
?「なんでお前はそっち側に座るんだよ!」
京子「良いじゃん!」
待ち合わせしたファミレスで彼氏くんは、京子ちゃんが俺と一緒に対面に座ったことを詰って来るのだけど…俺こそ言いたいよ…なんで俺、
彼氏「…何一人でぶつぶつ言ってるんだよ!」
おっと、一人の世界に入ってしまった。
「…ね…ねえ川藤さん、何で俺、この人に噛みつかれているの?」
京子「知らないわよっ!」
うわ~この場唯一の味方に打ち捨てられた…一人だ…一人で何とか…しろってか!
―
俺を放ったらかして、口げんかを始めた二人。
書いても良いけど紙の無駄なんで。
―
大体、わかった。この二人は高校の文学部の同期。
…まあ、その学校に満研が無かったからみたいだけど。
最初は本当にオタク仲間?彼氏からしたら夢を応援してくれる同士みたいだったんだろうけど。
…身体の関係が出来てから、どうにもすれ違い出したみたいだ。
…昔の関係を大事にしたい京子ちゃんと新たな恋人関係を作っていきたい彼氏…か。
そりゃ、容姿特Aの京子ちゃんだ。関係が出来ちゃうと…いつも抱きたくなる気持ちも分からんではないけどさ…。
…どっちにせよ、これ以上付き合ってらんないな。正直、この二人が別れてもこっちに影響無いし(鬼畜)
―
―
「ちょいと失礼」
彼氏「な!なんだよっ!」
いきなりで悪かったが、一気に間に入った。そして
「…私、こういうものでございます」
…名刺を切った。
彼氏「あ…ご丁寧に…どうも」
「…名刺をいただいても?」
彼氏「え…あ…あれっ」
ワタワタと汚ったない財布から名刺を出してくる。
…駆け出しの漫画家、人間関係を大事にとか教育されているのだろう。
…あれっ?
「なあ、あんた、少⚪王で、⚪⚪⚪⚪⚪書いてない?」
彼氏「!分かるんすか!!」
京子「…え?」
「川藤さん、この人、売れない漫画家じゃない…結構売れてる漫画家」
京子「え…え?」
「それは確かに、ジャンプでもサンデーでもマガジンでも無いけど、多分近いうちにアニメ化されるんじゃないかな」
彼氏「ほ…本当っすか?」
「…一個人の感想にプロが反応すんな!」
京子「…」
彼氏「…京子?」
「…川藤さん?」
京子「…良かったじゃん」
彼氏「…京子」
京子「さわんなっ!!」
京子ちゃんが叫ぶ。
京子「…良かったね。…忙しいんでしょ?…しばらく連絡してくんなっ!!」
そう叫んだ京子ちゃんは…凄い勢いで飛び出して行ってしまって、事実上敵対的初対面の俺と彼氏が…ファミレスに取り残されたんだ。
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