第4話 俺だって社内に女友達くらいはいる
「…まあ、泊まって行って良ければ、全然泊まっちゃうんだけど」
京子「先輩って、本当にポジティブと言うかバカと言うか…うちの親に何て言うつもりですか!?」
「…お前が!誘ったんだろうが!!」
京子「先輩、社交辞令って知ってる?」
「異性の先輩を宿泊に誘う社交辞令なんか聞いたこと無いわっ!」
まあ当時、平日の生活のメインだった幡ヶ谷のセカンドハウスでは周りの駐車場の料金がバカにならないので北柏の実家に行くつもりだったから、横浜市内に泊まれるのはありがたかったんだよね。
京子ちゃんと打ち合わせて、京子ちゃんの御両親には「自宅の鍵を会社に忘れた俺を京子ちゃんが見るにみかねて」と言うことにしたんだ。
「横浜支店の人で泊めて貰うのなんて竹村係長のところぐらいだ」
京子「竹村さん…仲良いの?」
「お前…会社の飲み会参加しないもんなあ。横浜の飲み会にゲスト参加すると、その日の夜は大抵竹村さんのところだ」
京子「…だって…飲み会なんか参加したら…口を滑らせそうなんだもん」
オタバレ避けですか…そうですか!
―
―
軽い夕食を作って貰いながら、俺は京子ちゃんの御両親の帰宅を待っていた。
京子「先輩って、彼女いないの?」
「いなくて悪うござんしたっ!」
京子「いや、悪くもなんともないけどさ。先輩、東京で結構仲良い社員いるじゃん。夏実先輩とか愛子先輩とか…あと同期の弘美先輩とか」
「弘美ちゃんはそれこそ同期のよしみでアッシーやらされているだけだ。あと…夏実先輩は…言って良いのかな…実はお前と同じだ」
京子「…へっ!?」
「主にマクロスだがな…」
京子「…嘘!あんな知的美人が!?」
「その自虐ネタの真意は何だ!俺たちは知的じゃないってか」
京子「…うん」
「いや…お前がカミングアウトするほうが…周りの衝撃はデカイと思うぞ?」
夏実先輩…
高田馬場で実家暮らしの彼女の家にも…実は行ったことがあったりして。
「お前が本当に夏実先輩の扉を開けたいなら…今度会ったら」
京子「…会ったら?」
「『やっぱり一条くんよりマックスのほうがかっこいいですよね』と言ってみろ。多分、一瞬で化けの皮が剥がれる」
京子「…」
「…」
京子「…ねえ、夏実先輩って、一条くん推しなんじゃ」
「良く分かったな…そうだよ」
京子「…今度会ったら『やっぱりマックスより一条くんのほうが強いですよね?』と言う」
「…それだと先輩、冷静にとぼけるかもよ?」
京子「それでも!良いよ。扉開いたとたん敵認定されるよりよっぽどましだよ!」
「…お前本当はどっち派?」
京子「…別にマクロスはそこまでは推しはないよ。まあ…二人ともアムロと当たったら瞬殺だねっ!」
「…お前、それこそ夏実先輩には言うなよ?戦争になるぞ!?」
―
―
京子「じゃあ、愛子先輩は?…まさか…愛子先輩も?」
「それこそまさかだ。愛子ちゃんは俺たちと違う」
京子「…」
「…俺は、愛子ちゃんの恋愛相談に乗っているだけだ」
京子「…」
「…愛子ちゃん、社内不倫真っ最中みたいでさ」
京子「…先輩って、愛子先輩のお相手まで知ってるんだ」
「…いや…そこまでは深入りしないようにしている。愛子ちゃんB型でさ…深入りすると…まずいんだ」
B型同士は…深入りすると…ドツボに嵌まる。
京子「…へ~、先輩の本命は愛子先輩なんだ。美人だもんねえ」
「…いや、美人ってことなら、お前のほうがよっぽど美人だろうが」
京子「ふええ~、先輩って平気でそ~いうこと言えちゃうんだ。それともあたしのこと口説いてる?」
「お前なあ!」
京子「良いよ~今日は気分良いから口説かれちゃうよ~」
「…そもそも、東京本社と横浜支店の女性で…お前がカーストトップだろうが!」
京子「ふんふん」
?「そうなんだ~」
「…」
京子「…」
?「…ところで、この男の人、誰?京子ちゃん」
いつのまにか…いつのまにか京子ちゃんにそっくりな
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます