第3話 自宅に侵入すればこっちのもの
京子「ステーキが食べたかったのっ!」
「お前、負けたくせに奢ってやっただろうが!」
京子「きーっ!せっかく身体を張って勝負したのにっ!」
「…お前、本当に身体張ってたな…お前の下着、六回は見たぞ…」
勝負はかろうじて…
しっかしあんまり京子ちゃんがぎゃーぎゃーうるさいので、まあハングリータイガーのハンバーグステーキなら俺も食べたいなあと寄ったんだけど。
…文句があんなら、食べなきゃ良いだろうがっ!
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「…なあ、真っ暗なんだけど、本当にお前の親、いないのか?」
京子「うちは共稼ぎで二人とも夜遅いって言ったじゃん!」
「そんなに威張って言われても」
戸塚のこいつの実家に着いたときには、春とは言え既に薄暗くなっている頃だった。
京子「何よ、あたしのパンティをしっかり堪能した鬼畜先輩はパンティの中まで暴きたいの?」
「俺は彼氏持ちの女には興味無いの!」
京子「ちぇっ、残念だなあ。あたしは先輩だったら身を任せても」
「…そんなこと、毛ほども考えていないよな!御託は良いから早くAKIRAのぶつを剥かせろ!」
京子「…先輩、言い方…」
―
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そもそも俺はバカで遠慮が無いから、人の家に行くのは全く苦にならない。
この時点で俺が訪ねたり泊まった社員の家は20件以上。その中には女性社員の自宅も三軒あった。
…さすがに泊まってはいないけど。
―
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「なあ…川藤さんや」
京子「何かね桂木先輩」
「何でいつまでも制服着替えないの?」
京子「うら若き乙女のパンティを堪能した上に生着替えまで見たいと?」
「…んなこと言ってないだろうが!」
なんなんだ…壁にもたれてAKIRAを堪能していた俺の左隣、ぴったり肩を寄せるようにして、京子ちゃんは漫画を読んでいる。
仕事帰りの汗の匂いに混じって、京子ちゃんの女の子の香りが仄かに…漂ってこないな。
後にも先にも経験が無いんだけど…彼女には目立った体臭が無かった。無い訳ないから、多分彼女の香りは俺に限りなく近かったのだろう。
正直に言えば、二人で漫画を読んでいるこの空間は心地良く、時間を忘れそうだった。
多分…それは…京子ちゃんもきっと同じで…
京子「…先輩?社用車どうするの?」
「…ああ、今日は自宅で預かって明日の朝、支店に返すよ」
京子「…ふ~ん?」
「…なんだよ」
京子「…じゃあさ」
京子ちゃんの大きな瞳が…イタズラっぽく煌めく。
京子「今日はうちに泊まっていけば良いじゃん。んで、明日、あたしを車で支店に連れていってよ」
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