エピソード七 夏の虫
『ブゥウウンッ、バチンッ』
『
『はい。御孫様』
『ブゥウウンッ、バチンッ』
『満月とはいえ月明かりだけでは、読書をするのには
御屋敷の外に設置されている長椅子に腰掛けられていられる御孫様は、天から根元魔法の素質を授かりし
『根元魔法の
『ブゥウウンッ、バチンッ』
『飛んで火に入る夏の虫という有名な慣用句がありますが、人類が火を使い始めてから少なくとも数千年は経過しているのに、それでも虫は人為的に発生させた光源に惹き付けられて近寄って来ます。野外での焚き火に近付き過ぎれば自ら焼かれて死ぬと言うのに、虫は数千年の年月を掛けても何一つ学ばない生き物ですね』
『ブゥウウンッ、バチンッ』
御自身が張られた見えない壁の中から、御孫様は無意味な行動を繰り返す夏場の虫に対して、何の感情も込めていない
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