エピソード二 天から根元魔法の素質を授かりし地主様と御孫様

『シュウウウッ。日焼けは軽症の火傷やけどでもありますから、速めに治癒魔法ハイル・ツァオバーで癒しておく必要があります』


川での水浴びを終えてほとりに上がりますと、御孫様が御自身のうなじてのひらかざされまして、赤く日焼けをされたうなじを根元魔法で治療されていました。


『貴方も治癒魔法ハイル・ツァオバーが必要ですか?』


純白アラバスター・ヴァイスの肌色と金髪ブロンデス・ハールをされている御孫様が、黒髪シュヴァルツ褐色ブルネットの肌色をしている農奴の自分に対して、瑠璃之青アツーア・ブラオの瞳の視線を向けて問われましたので。


『有難う御座います御孫様。自分は褐色ブルネットの肌色をしていますので、御爺様であらせられる地主様から純白アラバスター・ヴァイスの肌色を受け継がれた御孫様よりも日焼けには強いので大丈夫です』


地主様と御孫様は非常に良く似ている中性的な容姿をなされていられるのに加えまして、天から根元魔法の素質を授かりし魔法使マーギアーいでもあります。


『そうですか』


御孫様は同い年の十三歳の奴隷身分である農奴の自分に対して、特に気を悪くはされていない表情を見せまして。


『手拭いで身体を拭いて、日が完全に沈む前に一緒に帰るとしましょう』


『はい。御孫様』

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