phenomenon:1-6
「一時間ぶっ続けでやらせたらどうだ。
などと言う。
それに対する意見はこのようなもの。
「それはプライベートの練習の話だろ。タスクとしては想定し難い」
「それともなんだ。お前はどっかの会場でマネーマッチ百人斬りでもやるつもりなのか? 非現実的だね。どっかで疲れ果てて身包み剥がされるのがオチだろう」
結果的にはこの反対意見の方が通った。空間内における
対戦は、まずキャラクターセレクトから始める。これ自体が一つの駆け引きだ。格闘ゲームにある程度慣れてる奴なら、キャラクターの
Lazarus16の相手が選んだのは――ランダムセレクトだった。どのキャラクターが選出されるか分からない選択肢であり、言ってしまえば自殺行為そのものだが、俺達のチャット欄は大いに沸いた。
<Hoo!>
<Cool!>
<まるで4K.Grubbyだな!>
<お次は「Human suck」ってか?>
こいつは一体、いつの時代の話をしているんだか。WarCraft3なんて今どきの奴には通じないだろうにな。――とは言え、こいつらの言ったのと似た感情を俺もまた感じている。相手からすればLazarus16はランダムで相手する程度のレベルでしかないという宣言でもあり、『グランドファイター20XX』のキャラクターであれば全てを操ることができるという自負心の発露だ。
この行動に対し、Lazarus16は(少なくとも画面越しで見るぶんには)動揺する素振り一つ見せず、淡々とこのゲームの主人公格とされるキャラクター『リュウ』を選択した。
<リュウ! まるで
<あれ、今はリュウじゃないんじゃなかったか?>
<お前ら、居酒屋談義も程々にしろよな>
俺の発言に対しレスがつく。
<実際、仕事サボって見てんだよ。酒も入ってる>
<飲んでいるのは?>
<
<やめとけよ。悪酔いする>
<
<お前にゃ一生縁が無いだろうけどな>
しかし、
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