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そういう場所では、手っ取り早く上達できるような、初期投資の少ないものが盛り上がる。2D対戦型格闘ゲームもそういうジャンルの一つだった。FPSがPCスペックを求めるのに対し、2D対戦型格闘ゲームは対戦相手があればよい。
ある時――パキスタンだったか?――でとある2D対戦型格闘ゲームのプレーヤーが、国際大会に出場するための様々な障壁を乗り越えて参加した先で驚異的な結果を残した末に……まるで
「俺の国には、俺よりも強い奴が何人もいる」
――と。
まあ、パキスタンのそのゲーム周りが今どうなっているのかは定かではないが、国際的に孤立しつつある
そんなもんだから俺もそこそこに2D対戦型格闘ゲームはやり込んだ。国際的に名が知られているタイトルを中心に、マネーマッチや賞金付き大会の多いタイトルに絞り、幾つか練習をしているタイトルがある。今回、
相手になるのは、この場所で格闘ゲーム以外に能が無い劣位の奴。とは言えコイツは能無しというわけでもない。特化しているぶん厄介で、キャラ対策はバッチリ出来ている。俺もそれなりにこのタイトルをやり込んではいるが、実際に対戦となれば土をつけられかねない相手だった。
勿論、そいつ自身やる気満々だ。格ゲーしか能が無いぶん、追い詰められている。despair turn
<私、まだコントローラーを持っていません。誰かスティックを貸してくれませんか?>
俺は言う。
<ボタン式で良ければあるが>
<ボタン式は駄目なんですよ>
<贅沢言いやがる>
<んじゃ俺が貸そうか>
そう言い出したのはレトロゲームオタクの
<流石
<そういうわけじゃない>
<じゃ、どういうわけよ>
<どうでもいいだろ>
<Lazarus16、お前の座標は?>
<Square265ですよ>
<んじゃ発送手続きしとくわ。明日には届くだろ>
<おお、ありがとう! 助かります!>
<それほどでも>
俺はこの時、一つの違和感を覚えた。
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