モーニング・シャイニング
沙月Q
スタンリー・キューブリック監督に捧ぐほぼ実話
私の家は小学校のすぐそばにある。
家の前の道はT字路になっていて、その突き当たりの通りが通学路になっている。
朝、家を出ると、そのT字路の突き当たりを必ず横切る双子の女の子がいた。
学校へ行く途中に違いないが、ほぼ毎日同じ時間にそこを通り過ぎる。
何かの係なのか、真面目な性格なのか、他の生徒たちよりも早く二人だけで通ってゆくのだ。
通り過ぎるだけならいいのだが、いつかあの二人がこっちを向いて並んで立っていたら……
朝から「シャイニング」である。
あの映画で、ホテルの廊下の突き当たりに双子の女の子があらわれるシーンは怖すぎた……
観てからしばらくの間、ちょっとトラウマにもなりかかった。
もし、家の前であのシーンが再現されるような事態になったら……
そう思うと、毎朝気が気でなかった。
特に、二人がお揃いの青い服など着ていた日には、見かけただけでちょっと動悸が上がった。
そして時は流れ……
幸い、そういうこともなく彼女たちは無事に卒業していったようだ。
だが、自分の通勤はこれからもずっと続くし、双子の女の子は彼女たちが最後である保証もない。
私はいつか訪れるかもしれない「モーニング・シャイニング」に怯えながら、今日も家を出るのだ……
完
モーニング・シャイニング 沙月Q @Satsuki_Q
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