日出る国より
大陸の北方、フランドル国民王国との海峡を渡った先。
そこにはとても特異な国家がある。
我々とは違う顔つきを持ち、
まるで我々とは違う文化を持っている。
かつての文献ですら僅かな情報しか書かれていない民族。
彼等は自身の事を大和民族と言う様である。
さて、ここまで大陸側の人間の話をしてきたが、我々について説明しておく必要がある。
かつて我々も戦乱に包まれていたが、神話によると一人の男が軍勢を率いて南北に軍を進め、統一した模様だ。
何故これ程までに他人事の様に語っているかって?
神話しか文献が無いのと、そもそも今の政府とは全くと言っていい程共通点が無いからだ。
現在の政府の話をしよう。かつての戦乱を乗り越えた先に出来たこの政府はまさに不完全としか言えない。
民主的とは決して言えないし、まさに封建国家と言える。
しかし一応国としての体は保っている。が、高まる帝国主義は国家を破滅へと向かわせている。
海峡を挟んだフランドル国民王国とは今は良好な関係だが、すぐにでも崩壊するかもしれない
我々に決定権は無い。上の気分によって全てが決まるのだ。
実際、この状況に嫌気がさしている連中は多く居る。
革新華族と呼ばれる人間たちは、政治的にも発言力を持っている。
大陸とドーバー海峡を隔てて位置する日本は、まるで異世界のような存在であった。孤立しているという事実は、周囲の国々にとっても一種の謎であり、文化的にも大きく異なる彼らの民族は、外界からはほとんど理解されることがなかった。だが、その背後には長い歴史と、複雑で不安定な体制を抱えた国が存在している。
日本、彼の地では「大和民族」と呼ばれる者たちが、独自の文化と価値観を守り続けてきた。記録に残されている文献はほとんどが神話や伝説に過ぎず、国家の成り立ちやその支配者についての詳細は不明なままである。しかし、古代の神話には、かつて一人の英雄が南北に軍を進め、現在の国土を統一したとされている。その英雄が果たした役割は非常に神格化されており、政治においてもその影響は強い。しかし、近代の政府はその名残を完全に引き継いでいるわけではなく、神話の時代から続く伝統に執着しながらも、現実的な問題に苦しんでいる。
現在の日本政府は、かつての戦乱を経て確立されたものだが、その体制は非常に不完全だと見なされている。自由主義の概念はまだ根付いておらず、封建制度を色濃く残している。上層部は絶対的な権力を握っており、その意思決定は一部の特権階級に依存している。実際、現在の国政を支配しているのは「華族」と呼ばれる特定の血筋の者たちであり、彼らの権力は年々強まっている。政治的な発言力も彼らが握っており、一般市民はほとんどその決定に対して影響を与えることができない。
その結果、国内には不満を抱えている者たちが増えてきていた。政府の腐敗、封建的な構造、そして隣国との関係が不安定な中で、日本の未来に対して不安を感じている者たちも多い。特に、フランドル国民王国との良好な関係が突然崩れた場合、さらなる混乱が予想される。彼らとの外交は、今の政府の維持にとって非常に重要な役割を果たしているが、いつ何が起きてもおかしくないという緊張感が国を覆っている。
加えて、帝国主義が高まる中で、日本国内での競争や対外的な圧力も無視できない。大陸からの侵略や勢力拡大を避けるためには、強固な国家体制が求められる。しかし、そのためには既存の封建制度を破壊し、近代的な政治体制を築く必要があるが、現体制がその変革を受け入れる兆しは見られない。華族たちも、一部の者は変革を望んでいるものの、大多数は今の地位を維持し続けることを選んでいる。改革を試みる者たちに対する反発も強く、変革の兆しは見えない。
だが、このまま何もせずに国を衰退させることはできない。現状に嫌気が差している市民や政治家たちも少なくない。彼らの中には、時が来れば体制を変えるべきだという強い意志を持つ者もいる。だが、実際には、どこから変革の手が始まるのか、誰がその先駆者となるのかは分からない。
現在の日本はまさに変革の時を迎えている。だが、上層部の腐敗と、既得権益を守ろうとする勢力がそれを阻もうとしている。この国を変えるのは、何よりも勇気と、正しい指導力を持つ者たちの決断にかかっている。やがて来るべき時、それは今か、数年後か、誰にも分からない。しかし、誰もがその時が来ることを感じ取っていた。
いつか、この国の姿が変わり、真の意味で民衆の手に国を取り戻す時が来るのだろうか。それとも、現体制がその強さを保ち続けるのだろうか。
それは上の連中ではなく、下の人間が決めれるのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます