第45話「仲間たちとの絆」
オーディションへの参加を決意した翌日、大輝はいつも通り学校へ向かった。気持ちは決まっていたが、その決意が揺らがないか、どこか不安を感じていた。しかし、今日は違った。クラスメイトやバンドメンバーが彼を迎え入れてくれた。
「おはよう、大輝! 最近、なんか元気ないなって思ってたけど、どうしたんだ?」
クラスの中心的存在である武田が、教室に入るなり大輝に声をかけた。大輝は一瞬戸惑ったが、オーディションのことを隠すつもりはなかった。
「実は、オーディションに出ることにしたんだ。」
「えっ、マジか! それはすごいじゃん!」武田の目が輝いた。「どんなオーディション?」
「Kanonが審査員を務めるオーディションなんだ。参加することにしたけど、正直、まだ少し不安でさ。」
武田は驚きと興奮を隠せない様子で、すぐにバンドメンバーにもこのことを伝えた。大輝の仲間たちは、彼の決意に賛同し、力を貸すことを即座に決めた。
「それなら、俺たちも一緒に練習しよう!」リーダー格の中村が声を上げた。
「そうだよ、せっかくのチャンスなんだから、全力でサポートするよ!」他のメンバーも次々に声を揃えた。
その日の放課後、学校の音楽室に集まった彼らは、さっそく練習を始めることにした。大輝は自由曲の選定について仲間たちに相談した。
「どの曲がいいと思う?」
「お前が好きな曲でいいんじゃないか? 自分の個性が出せる曲を選ぶといいよ。」中村がアドバイスをくれた。
それに続いて、武田が提案する。「Kanonの曲はどうする? どれを選ぶか迷ってるんじゃないか?」
「うん、実はそうなんだ。彼女がデビュー前に地元で歌っていた曲があって、それが頭から離れなくてさ。」
「それなら、その曲で勝負しようぜ!」メンバーたちは一致団結して、大輝の選択を支持した。
練習が進むにつれて、大輝は仲間たちのサポートに支えられていることを実感し、不安が少しずつ和らいでいった。彼らとの演奏は楽しく、いつの間にか大輝の表情も明るくなっていた。
練習後、バンドメンバーたちは音楽室を出る前に、大輝にエールを送った。
「大輝、お前なら絶対にやれる。俺たちは信じてるから、思いっきりやれよ!」
中村が力強く言うと、他のメンバーたちもそれに続いた。
「そうだよ、大輝。俺たちがついてるから、安心して全力を出してこい!」
彼らの言葉に、大輝の心は熱くなった。感謝の気持ちが胸に込み上げ、彼は仲間たちに深く頭を下げた。
「ありがとう。本当にありがとう。俺、絶対に頑張るよ。」
その夜、大輝は自分の部屋で再びギターを手に取り、オーディションに向けた練習を始めた。奏音の曲を演奏しながら、「やらない後悔よりも、やって後悔したほうがいい」という言葉を何度も心に刻みつけた。
仲間たちの応援と信頼が、彼の背中を押してくれる。大輝は不安と期待が入り混じる心の中で、全力でこの挑戦を楽しもうと決意を新たにした。
外を見ると、夜空には星がきらきらと輝いていた。それは、まるで彼の未来を祝福するかのようだった。
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