7話 回復と呪い

目を覚ましたら知らないベッドに居た。この懐かしいようなベッド、母上のベッドか。「目を覚ましたのね、カイル」「はい、母上。どのくらい経ちましたか?」「約1日って所かしら。」「…っ!母上がヒールで早くしてくださったのですか。」本当は1週間寝込むレベルのことをしたのに。「…ふふ。その元気が私にはあったのにね。どうしてもこの子達がやるって言って。」隣のベッドで寝ている、ミーニャとクコを指差す。「ミーニャとクコが…」「何ならリリーもやるって言ったわ。流石にとめたけどもね。私がやればすぐ終わったのに、この2人は本気だったわ。良かったわね、カイル」「…本当にいい人達に恵まれていると思います。」母上は静かに微笑んだ。


しばらくすると、ミーニャが目を覚ました。「ミーニャ、おはよう。」「…ふわぁー。おはよございまぁす。眠い、こんなにヒール使ったの初めてですよ。」「そうだろうね、本当にありがとう。」「もおーーー言ってくださいよ。カイル様を失うのが1番怖いんですからね。」「ごめん。でもリリーが助かったようで良かったよ。」「本当にありがとうございました。カイル様。これから一生尽くします。」「そんな、大げさな。でもこれからもよろしくねミーニャ」「はいっ」ミーニャは僕のメイドをやる前は、大貴族の令嬢に仕えていたらしい。でも突然消えてしまったらしい。それは駆け落ちでもうメイド入らないと連絡が入った。ミーニャは駆け落ちが言えないほどの仲だったんだと落ち込んで女の人に仕えるのをやめたと昔言っていた。


ミーニャに半休を渡し、リリーを部屋へ運び込んだ。リリーは後1日ほど寝ているだろう。むしろ今起きたら副作用が物凄いだろう。クコはもうちょっとで目覚めるのか全くわからなかった。とりあえず部屋につれてくか…確か部屋はミーニャとリリーの隣の部屋だった。


コンコン。「入ってもいいか。」…返事がない相部屋をしているやつは仕事中か。「…カイル様、クコを受け取りますよ。」「あ、君はココだったか。クコの双子の!」「そうですね…今開けるので待ってくださいね。」ココはクコを慣れた手つきでベッドまで運んだ。「カイル様とは、あまり私は面識はありませんが、これからどうぞよろしくお願いします。」「あぁ、よろしく。ココはクコによく似てるな。」「そうですかね…個人的にはあまりそう思わないのですが。」ココはあまり笑顔を見せないのだな。「仕事の合間にクコの事を面倒みておいてほしいのだができるか?起きたら今日は休んでと伝えてくれ。あ、あとありがとうとも言っておいてほしい。」「…クコは治癒なんて使えたのですね…」「羨ましいか?」「…………少し」相当だろうな「もしよかったら鑑定しても良いか。」「クコにしたという?…お願いします。」


―鑑定―


名前:ココ

性別:女  年齢:23  階級:メイド 状態:風邪(呪い)


適性

弓:D

剣:C

魔法:SS

治癒:B

鑑定:B


「んむ。言いたいことは色々あるが、風邪?呪い?」「…!わかるのですか…」「どういうことか、説明を求む。」「私とクコは施設育ちでした。そしてよく街を歩いていたんです。そうしたら、逃げ出した姫に似ているとか言われて呪いをかけられたんですよ。そんなに辛くないし微妙な呪いで笑っちゃいますよね。」初めてみた笑顔だがこれはきっと愛想笑いだろう。「大変だったな」「そんなことないです。でも副メイド長の毒が治って私もこんなの治してほしいと思ってしまいます。」…クコを鑑定して治癒が使えるって知った時、何だか浮かない表情をしていたのはそれだったのか。「直せなくてすまない。呪いは18歳にならないと解けない…呪いを解く魔法が使えないのだ。」「謝ることではありません。ありがとうございます。では仕事に戻ります。」


なんとかココを笑わせてあげたい…そう思うのだが…

…あ、呪いが気になりすぎて魔法がSSなの言い忘れた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

次の更新予定

毎週 日・水 18:00 予定は変更される可能性があります

白馬の王子様と黒馬の王女様 夜桜 @yuzu0812

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ