4話 赤の騎士(ルビーのナイト)
えぇぇ…まさか母上が黒髪の令嬢について知っているとは。「んふふ。私が教えなくてもきっとあなた達は見つけていたわ」「どういうことですか、母上」「だって、ミーニャちゃんが持ってきた紙の6枚目最後の人、見てみな。」「…!この方です。」「本当ですか!カイル様!良かったですね。」「クロレンス・ソフィア嬢ね、巷では赤のナイトとか呼ばれているわよ。」赤のナイト…?「何故、女性なのにナイトなのですか?」思ったことをミーニャが言ってくれた。母上は静かに考えてから言った。「ルビーは血や女性っていう意味ね。彼女を敵にすると息の根を止めるまで剣を振るうなんて言われているくらいだもの。ナイトと言われているのは、きっと服ね。基本彼女はドレスは着ないの。だから男らしくてナイトって言われているのでは…?」…ほう「もしかしてですが、ソフィア嬢ってあまり人気がないのですか…?」「ミーニャ、確かにそうかもしれないが口にするのはよせ。」「あっ。申し訳ありません。つい気になってしまいまして。」「んふふ。仲が良いのね、2人は。ソフィア嬢は確かに噂はあまり良くないけど、本当に良い子よ。王女にも安心して任せられるわ」「母上…やめてください…」「でも本当よ?彼女がドレスを着るのを嫌がらない限り、王女の座はあげられる。一応王女だから、ドレスは必須なのが彼女には引っかかるかもしれないわね」「母上、彼女には何も言ってませんし混乱を招くだけです。とりあえず、謝礼はしにいきます。」「カイルの好きなようにしなさい。困ったことがあったら、いつでもそうだんするのよ。ミーニャちゃんでもいいからね」「任せてくださいカイル様!!」「うん、頼もしいよ。でも母上、父上と16時から約束しているのでは…?」「あらっ。いけない行かなきゃ。カイル今日はとても楽しかったわ。またお茶しましょうね。」「母上、もう5分も遅刻していますが大丈夫なのですか?」「今日リリーが居なくてね、全く予定があやふやなのよーじゃあミーニャちゃんもまた話しましょうね〜」と急ぎ足で母上は去っていった。「リリーは今日休みなのか?」「それが実家から戻って来る際に雨に打たれて風邪で寝込んでおります。この前の夜も私は看病をしていて…」「ああ、だから居なかったのだな。きっと母上も淋しいのだろうな…」「そうですね。そろそろ食事のお時間ですよ。リリーの分まで私が働かなければならないので先に食堂に行っていますね!!」「あぁ、ありがとうな。」
父上と母上と食事をした後、自室に戻った。剣の練習を今日こそしようと思って家を出ようとすると、後ろから「カイル様ーーーーー!私もお供します!!」という大きい声が聞こえた。「面倒くさい奴にバレたものだ。くれぐれも邪魔はするなよ。」「はい‼‼‼‼‼」
「…カイル様。ソフィア嬢居ないですね。」「あぁ居ないな。」居ないとは思っていなかったのが本音だった。「ミーニャ行くぞ」僕とミーニャは騎士団の人に直接話を聞きに行った。「練習中にすまない。聞きたいことがあるのだが、団長はいるか?」「カイル王子、ようこそおいでくださいました。団長は会議で不在なため、私副団長のベリックが承ります。」…弱そうな男だ。なんて思っても顔には出さない。「そうか、少し離れた所で話そう。」「はっ」
「…本題だが、先週の金曜日にいた女性はクロレンス・ソフィアで間違えないか。」「……?はい、クロレンス・ソフィア嬢は毎週金曜日だけ騎士団の練習に特別参加しております。」「なんか嫌そうな顔をしているではないか。」「すっすみません。ただ私に勝つほど彼女は強い方で…」…お前が強いなんて誰も知らないがな。「そうか、話は終わりだ。他言無用で頼む。」「はいっ。失礼します。」
「なんとも、ベリック様は随分ソフィア嬢の事が嫌いなんですね…」「んん。勝負で負けたとかで恨んでるだけじゃないか?もう少し聞きに街にいくか。」「行きましょう!!」
「久しぶりに城下に降りたな。」「そうなんですね、でもこれからの聞き込みは私がしますからね。万が一のために護衛を連れて行きましょう。」「ミーニャのおすすめの護衛騎士を連れてきてくれ」「任せてくださいっっ」
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