3話 黒髪令嬢は…?

目が覚めると自分のベッドに居た。小さなベルを鳴らす。とっとっと。足音が近づく。「失礼します。おはようございます、王子様。今日は一段と早くお目覚めですね。朝食は如何しますか?」…ミーニャか。ミーニャは僕に仕えてくれているメイドである。「ありがとう、ミーニャ。今日は少なめで頼むよ。」「承知しました。5分ほどでお持ちしますね」「助かる。」もし昨日僕が倒れていたことが分かっているなら、父上も母上もおきた瞬間に飛び込んでくるはず。つまり、倒れていたのを黒髪でポニーテールの女性が助けてくれた…?それなら辻褄は合うが。部屋を見回すと、窓の下が砂っぽかった。その上僕は、服を着替えていない?そうか、あの女性が窓から運んでくれたのか。と自分の中では解釈を一致させて一息ついた。コンコン「朝食の準備が出来ました。」「入って。あ、後ミーニャは少し残ってもらってもいい?」「はい」僕は朝ご飯を食べながら、ミーニャと雑談をした。そしてミーニャは聞いてきた。「昨夜は練習に行って、夕食を食べないで寝たのですか?王様、王女様が珍しく一緒にディナーが出来なかったと言っておりました。私は昨夜同室のメイドを看病してて。」おぉ…そういうことか。「そうだね。すぐ寝た。後で父上と母上には言っておくよ」「そうでしたか。ではそろそろ失礼します。」「ミーニャ、待ってくれ。まだ私のいいたいことは終わっていないぞ。」ミーニャは目をパチクリして言った。「…。私は何かをしでかしてしまいましたか?」「いや、違う。頼み事があってな。」「カイル様が‼‼全部自分でやりたいと言い張るカイル様が!」「落ち着けミーニャ。ある黒髪の女性を探していてね。何人でもいい。写真があれば尚良いのだが。」「女性!?意中の相手…!カイル様!ミーニャ誠心誠意その任務引き受けます‼‼‼」「…色々違う気もするが頼んだぞ。」ふぅ。人に頼むというのは中々しないから緊張するな…



時は過ぎて2日ほどした昼下がり。「久しぶりにカイルとお茶が出来て嬉しいわ。」「光栄です、母上」「そんなにかしこまらなくていいのy「カイル様ーーーー。頼まれていたものご用意できmあっ王女様っ大変失礼しました。」ミーニャが母上の言葉を遮った。「母上、ミーニャが申し訳ありません。少々元気が良くてですね。」「カイル大人になってきているのね。謝ることじゃなくても雇い主や立場が上の者としての威厳がしっかりあっていいと思うわ、ミーニャちゃん。いい子ね。」ミーニャは焦り土下座した。「王女様のお言葉を遮るなど万死に値します。」震えるミーニャ。微笑む母上。真顔な僕。「母上、私の責任でもあります。許してください。」「いいって言ってるのよ。まあそこまで言うならそれ見せてちょうだい。」母上はミーニャの持っている茶色い封筒を指さした。「母上?それは関係ないじゃないですか」「…そうかしら」ミーニャは半泣き顔でこっちを見て言った。「私が悪いことしたのに、この罰はカイル様が重いです…本当にすみません。」「ミーニャ…」「仕えているのはカイル様ですが王女様に言われては…初めての頼み事こなせなくて申し訳ありません。」と泣き出すミーニャ。「ミーニャ、もう大丈夫ありがとうね。私も見たいし、母上に見せて。」母上はオドオドし始め「そんなに大事なものなの…えっ…何だか悪いことしたわね。」「もう大丈夫なので見てください。」ビリビリ。「………これは、女性の写真と情報、?それも黒髪の。」ミーニャは6人もの女性を見つけてきてくれたのか。「ありがとうねミーニャ」「お礼を言われるような筋合いなどありません…」完全にしょげている。「カイル、これは好きな方…?」「…近からず遠からずっていう所ですかね。」

僕は母上とミーニャに今まであった出来事を伝えた。木から落ちたことに2人とも心配をしていた。話を終えてから母上は言った。「好きになっちゃったか。」「母上…好きというよりは気になる、謝りたい、感謝を述べたいの方が近いです。」「そう…私その子なら多分知っているわよ」…………………えぇ

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