私はあの日・・・
くろぶー
第1話
私はあの日、大切な人を失った
私とあなたは、幼稚園で初めて出会った。
私は、人見知りで引っ込み思案のため、友達がおらず、一人寂しく過ごしていた。そんな中、あなたは懲りずに話しかけてくれたから、私は心を開くことができた。
そんなあなたと過ごす時間は、私に安心感と幸せを与えていた。私は、徐々にあなたに恋をしていき、好きな気持ちが溢れた時に、私から告白してしまった。
急な告白だったため、断られるかもと、沈んだ気持ちになったけど、あなたは、少しの間を置いた後、満面の笑顔で頷いてくれた。
私は、その日その瞬間、死んでもいいと思うくらい幸せを感じた。もちろん、今からもっと幸せを感じる時間がくるから、死ぬわけにはいけなかったけど。
その告白の後から、私たちは彼氏彼女になった。本当に幸せだった。こんな日がこれからもずっと続いて欲しいと思っていた。
そんな、私の唯一の不満は、体の関係に発展しないことだった。もちろん、あなたが私のことを考えて、手を出さないことはわかっていた。
でも、私は寂しかった。触って欲しかった。
私たちは、高校生になった。私は、成績がよかったからか、入学早々、生徒会長から生徒会に誘われた。あなた以外から、私の存在を求められたことは嬉しく、私は生徒会に入ることを決めた。
ただその時私は、私との時間が減るから生徒会に入るのはやめて欲しいと言って欲しかったけどね・・・。
わかっていたことだけど、生徒会に入ってから、みるみるあなたとの時間は減っていった。私は、最初は寂しさを感じていたけど、生徒会の仕事の忙しさと生徒会の人たちと関わることで、そんな寂しさは消えていった。
そんな中、私は生徒会の人たちの中でも、生徒会長との時間が徐々に増えていった。そしてある日、生徒会長から好きだと告白された。
私は、あなたと付き合っていることを生徒会長に伝えたけど、
「それでもいいから、君と過ごさせて欲しい」
と言われ、断ることができなかった。
その言葉は、あなた以外に親しい友人を作れない私にとっては、とても甘い言葉に感じた。
・・・だから私は受け入れてしまった。
生徒会長はその告白の後から、ぐいぐいと私に接するようになってきた。私も最初は驚いていたけど、徐々に慣れ、その距離が当たり前になってきていた。
そんなある日、生徒会室で二人きりの時に、生徒会長から私にキスをしてきた。
私は、一瞬驚いたけどそのまま受け入れてしまった。
それから、生徒会長は二人きりの時にキスをするようになってきた。私は、その関係にも徐々に慣れてきてしまい、当たり前のことのように受け入れるようになってきた。
そうやってキスを頻繁にしていると、そのうち生徒会長は当たり前のように、私と体の関係を結ぶことを求めてきた。
それは、あなたともしていなかったから、断っていたけど、徐々にそれもいいかと思い始める私もどこかにいた。
そんな私を振り払い、断り文句として、「彼と別れてからね」と言っていた。
しかしそれも、生徒会長にこんなに求められているならいいかな・・・と徐々に思い始めたある日の学校帰り、生徒会長から「彼とはいつ別れるのか?」の質問に
「・・・時期をみて別れる」
と私はつい答えてしまった。
そう答え、家に帰った後、私は我に返って「なんてことを言ってしまったんだろう」と反省し、あなたと過ごす時間が少ないから、こんなことを言ってしまったのだと思い、急ぎあなたの元へ急いだ。
でも、あなたは家に帰ってなかったから、急いでどこにいるのか?の連絡をした。
そうしたら、あなたから今日は友達の家に泊まると返事が来て、私は落胆した。
その時に私は、あなたの反応が何かおかしいと思えばいいのに、「こんな日なのに!」とあなたに怒りを感じ、自分の行いを何も反省をしなかった。
だから、翌日、あなたからの呼び出しに嬉しさと昨日のことの文句を言おうと思い、あなたの元へむかった私に、罰が下ったんだね・・・。
あなたからの独白を聞き、私は、涙が止まらなかった。そして別れの言葉を聞いて、頭が真っ白になった。
だから思わず、
「生徒会長とはキスまでしかしてないし、あの時のあの言葉は嘘で、私はあなたと別れる気は全くなかった!」
と言いそうになった。
でも、浮気をしたことを認め、今更別れる気はなかったといっても、嘘にしか聞こえないと思い、私は、静かに頷くことしかできなかった・・・。
ああ・・・私は、どこで間違えたのだろう・・・大切な人を失い・・・私はこれからどう生きていけばいいのだろうか・・・。
私はあの日・・・ くろぶー @kuro1048buta
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