第2話


「クソッ!ドアを開けろ!マジで!」


残り時間: 1時間: 41分: 37秒。


「…君たちは誰なんだ?」誰かが尋ねた。「僕は山本和樹、24歳だ。ここに来る前は仕事に行く途中だった…」


「こ、こんにちは…渡辺太郎です…15歳です…」


「森慎一、37歳だ。ここに来る前は…仕事をしていた。」


「藤本健太、今日は21歳の誕生日だった…」


「ああ、よろしく、篠田カイト、17歳だ。ここに来る前は勉強していた。」


「チッ。お前ら、ここから出なきゃならないことがわからないのか?」


「…」俺たちは全員、その男を無視した。


「…松田雄二だ…52歳…」


「まあ、皆さん、お会いできて嬉しいです。でも今、どうやってこの部屋から出るかを考えませんか?」和樹が尋ねた。


絶対的な沈黙が続き、松田さんさえも言葉を失っていた。


もう一度部屋を見回したが、やはり何も見えない…いや、もしかして…


「何をしているんだ?」


俺は立ち上がり、手の届く範囲で壁を全て触り始めた。さらには、床までも熱心に触ってみた。


そして、新しい仲間たちの前で純粋な愚行を終えた後、現実世界には秘密の通路が存在しないことを確認した。


「何をしようとしたんだ…?」和樹の目が、俺をまるで狂人のように見ていた。


クソッ!なんで俺はこんなにバカなんだ?!今ので完全にバカに見られただろう!お願いだ、地面よ、俺を飲み込んでくれ!!


「な、何でもないよ…はは」


俺は再び座り直し、恥ずかしさが消えるのを待った。

そして、その間に30分以上が経ち、残り時間が1時間を切った。


残り時間: 57分: 52秒。


松田さんは部屋の中をぐるぐると歩き回っていて、叫ぶのにも疲れたようだ。

和樹は座って状況を分析している。

藤本健太は…まあ、彼は悲しんでいる。彼の周りには明らかに憂鬱な空気が漂っている。

森慎一は退屈しているようだ。

渡辺太郎は、じっとライトを見つめている。


「うーん…この部屋から出る方法が思いつかないな…」和樹が言った。


見た目はどうであれ、俺たちは全員心配している。もしこの部屋から脱出できなければ全員が死ぬというのが本当かどうかはわからないが、そもそも脱出の方法が存在するかさえもわからない。

だが、俺たちが最も恐れているのは…仲間の誰かに殺されることだ。


緊張が走り、俺たちの体は戦闘の準備を始めている。お互いに監視し合い、どんな小さな動きも見逃さないようにしている。

死ぬのが怖いんだ。


もし俺がアリスだったら、殺さずにこの部屋を脱出する方法を見つけられるのに…


「あそこだ…」


「え?」


「あのライトに何かあるかもしれない。」


渡辺太郎は天井にあるライトを指差した。俺たちは全員でそれを見に行き、緊張しながらも、何が起こるのかに好奇心を抱いていた。

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