Scene06 ☆観覧車☆
「ありがとね、私のワガママ、聞いてもらっちゃって。」//右隣で俯き気味に
「ちっちゃい頃から、乗ってみたかったんだよね。観覧車。」//どこか遠くをみながら
「随分、空いてるみたい。すぐ乗れそうだね。」//腕に絡みつくように
//SE 扉の開く音
『はいどうぞ、足元気を付けてね』//スタッフの声
「ありがとうございます。……さて、なんだか、こうして改めて二人きりになるとちょっと照れ臭いね。」//はにかむように笑いながら正面に座る
「私たち、付き合ってから、もうすぐ1か月になるね。知り合ったのはもっとずっと前だけどさ。ゲームで相方探してたら、キミが立候補してくれたのが最初だったよね。……わたしね、前から君の事、知ってたんだよ?」//外の景色を眺めながら
「君は私の事なんて知らなかったかもしれないけど、いつも面白いこと言う人だなぁ、ゲーム上手だなぁ。って。私ね、君が、立候補してくれたらいいな、って思いながら、募集かけたんだよ?」//正面の彼氏に向き直りながら
「私、初対面の人、苦手だし。何、話していいか、わかんないし。だから、最初、私が相槌だけうってたら、面白くなかった?ごめんね?って気にかけてくれてさ…。」//彼氏の方に近寄りながら
「すっごいうれしかったんだから。あぁ、この人は、私を責めるんじゃなくて、自分を責めるんだ。私は一緒にいてもいいんだ、って。」//右隣に座ってもたれかかる
「だからね、告白されたときは、夢なんじゃないかって思った。だって、私といても全然面白くないじゃない?……子供みたいで面白い?こういうシーンで普通そういうこと言う?一応、頑張って、ムード作ってるんですけどぉ…。」//真面目から不貞腐れた感じに
「…ふふっ」//俯きながら笑う
「え?なんでもなーい。……んー、強いて言うなら、この時間が終わらなければ、いいのにな…なんて。」//いたずらっぽく
//SE 機械が停止する音
『観覧車をご利用いただいているお客様にご連絡いたします。ただいま、機械トラブルにより、一時観覧車を停止しています。なお、事故等の心配はございませんのでそのままお待ちください。繰り返します…』//機械越しの声
「口は、災いの元…だねぇ。事故の心配がないなら…!外見て!パレードの時間みたい!……綺麗。」//外の景色に見とれる
//SE 衣擦れの音
「あっ、へへっ、ありがと……。抱きしめられると、落ち着くな。」//嬉しそうに
「ね、そっち向いて。」//正面から側面に声移動
「……だいすき。」//耳打ちで
「…ダメ。一回だけ!わかってたらドキドキしないじゃん。」//いたずらっぽく
『大変長らくお待たせいたしました。ただいま、復旧を完了いたしましたので、運転を再開いたしました。お客様にはご迷惑をおかけして……』//機械越しの声
「あ、動いちゃった。……でも、よかった。キミが明日に響いちゃったら、どうしようかと思ったよ。」//心底心配そうに
「その時は休むから大丈夫?うん、まぁ、そうして欲しいかな。無理して身体壊してほしくないもん」//もたれかかりながら
「あーあ、早かったなぁ。一日ってもっと長くなかったっけ。」//名残惜しそうに
「そろそろ下につくね。準備しよっか。」//立ち上がり彼氏の目の前を横切る
//SE 扉の開く音
『申し訳ありませんでした。またのご利用をお待ちしてます。あ、これ、お詫びの割引券です。次回お使いください』//スタッフの声
//彼女、右隣に移動
「なんか得しちゃったね。また、絶対、こようね。」//懇願するように
「約束……だよ?」//耳打ちで
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます