王命により幼馴染で兄の様に慕っていた彼は王女と、一方私は公爵令息とそれぞれ婚約を結ばさせていたが、彼は結婚式当日幾人かの男達と共に結婚相手の王女が出奔されてしまった。私の方も許婚の実家である公爵家の寄子の男爵家の令嬢と婚約者が禁断の恋仲となり、彼との婚約を解消に至った所、幼馴染の彼から求婚され結婚する、その流れだけでも素敵な展開と思っておりましたが、まさか、夫となった彼が自身の最初の嫁となるはずだった結婚式当日の王女出奔が彼のシナリオ通りと暴露するシーンには、大変驚いたものです。それ以外でも彼の腹黒な思惑が王族の行く末まで牛耳る話には。
只、その根底には、彼が如何に妻となったヒロインを幼き頃から一貫して溺愛していた結果であり、二人の子供達への激愛に繋がっていると思うと、感動を覚えてなりません。