第4話:成原 屍鬼麻呂。(なりはらのしきまろ)
「それが・・・今、晴明様は・・・」
「すいません生田様、実を言いますと、私は生田様と逢瀬を重ねてる場合
ではないのです」
「まだなにも重ねてないですけど・・・」
「だけど、吹雪ちゃんそんな場合じゃないって・・・理由は?」
「一応ですね・・・極秘事項なんですよこれ」
「誰にもベラベラしゃべってはいけないのです」
「もうそこまでしゃべっちゃった以上極秘じゃないですよ・・・このさい
俺に激白してしまいましょう、吹雪ちゃん」
「吹雪ちゃんって・・・まあ、よろしいですけど」
「さっきから俺、吹雪ちゃって呼んでるじゃないですか?」
「でしたっけ?・・・」
「分かりました、こうなったら生田様にも私の使命をお手伝い願いましょう」
「どちらにしても助手がいたほうが重宝しますから」
「はあ・・・」
「これから申し上げることは、わたくしと生田様だけの秘密ですよ、
よろしいですね」
「ふたりだけの秘密って、そう言うのいいね、吹雪ちゃん」
「そうですか?・・・みなさん秘密って言葉に弱いですからね」
「実は京の都に奈良時代に暗躍した「
「すぐさま、晴明様がことの鎮圧に当たったのですが
罠に掛かって呪いをかけられてしまい体が金縛り状態になったまま動けなくなって
しまいました・・・言葉はしゃべることはできるのですが思うように体を動かす
ことができず晴明様は今、寝たきり老人状態なのです」
「しかもその呪いを解くことができるのは
まま井戸に身を投げました」
「その井戸がこの大学の古井戸に通じていて、どうやら
逃げて来てるみたいなのです」
「だから、私は晴明様の命を帯びて
「ここまで、ご理解いただけましたか?生田様」
「うん、充分・・・だけどそんな怖い陰陽師、吹雪ちゃんに協力したって
俺なんか絶対役に立たないよ、陰陽師でもないし・・・」
「どうせカエルに変えられて田んぼでゲロゲロ泣いてるのがオチだよ」
「ちょっと無理っぽくない?」
「そうですか・・・お手伝い願えると思ったのですが・・・」
「でしたら、お付き合いすると言う話は残念ですがお断りさせていただきます」
「協力しますっ・・・全面的に協力します・・・たとえカエルに変えられても」
「なんでも言ってください、吹雪ちゃんの使いっぱ任せてください」
「どうせ吹雪ちゃんにフラれたら生きてたってしょうがないので・・・」
「分かりました」
「お約束します、もし無事に
「まじで?ってことはどう言うことかわかってる?」
「生田様は、私とハグしてチューして、それからセックスしたいって思ってる
のでしょ?」
「察しがいいな〜吹雪ちゃん・・・それがそもそもの俺のひとつの目標
ですから・・・」
「でもダメです・・・お付き合いはして差し上げますけど、セックスはダメ」
「彼女になるってことは恋人になるってことで、恋人同士ってのはエッチ
するでしょ、ごく自然に・・・」
「ダメですよ・・・」
「ガードの固い式神さんだね」
「俺はさ、吹雪ちゃんとエッチもできないまま奈良時代の陰陽師とやらに、
もしかしたら消されるかもしれないんだよ?」
「大丈夫ですよ、生田様は元来のスケベでらっしゃるみたいですから」
「
「え、スケベだと術にかからないの?・・・御都合主義的無理くりな設定じゃ
ないのそれって?」
「俺のスケベも世の中の役に立ったりするんだ」
「よ〜し、スケベに磨きをかけよう・・・あそこも合金仕様に改造しようかな」
「わあ、キモいです生田様・・・金属なんて使い物になりませんよ」
「だからさ〜ワルワルい陰陽師に勝ったらエッチさせてよ?ね」
「ダメですって言ってるでしょ」
「って言いますか、お付き合いしますって言ってるだけで、恋人同士でも
ないのに、なんでセックスが先なんですか?・・・おかしくないですか?」
「そんな考えはもう古いの・・・結婚もしてないのにできちゃったカップル
だって今は珍しくないんだから・・・」
「とにかく・・・ダメですからね・・・愛のないセックスはダメですよ」
「じゃ〜俺を愛してよ」
「ダメですぅ・・・なにごとも先に
「それから、生田様のあそこ、金属に変えるのは私、反対です」
「そんなことしたら永久にセックスなんかなしですからね」
「冗談だから・・・そんなムキにならないの」
このふたり、なんやかや言って、すでにいい感じになってるじゃん。
つづく。
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