第7話 初夜
静まり返った寝室で俺は全力で頭を回す。
(お互い初めてだから滞ってしまうことは分かっているが、だからといって無理に引っ張る訳にもいかないし…。)
「スー」
部屋の襖が開く。俺は考えがまとまらずにその時を迎えてしまったことに不安を感じる。
「信親様失礼致します。」
麗姫は恥じらいながらも俺の隣にくる。その瞬間、
(勇気を出せ!俺流でいいんだ!)
と心を奮わせる。
「チュッチュッ」
小鳥の囀りが耳に入る。おそらく行為を済ませた後すぐに寝てしまっていたのだろう。隣には布団にくるまったまま寝ている麗姫がいる。その寝顔を見ていると昨晩のことを思い出してしまう。
「信親様おはようございます。」
麗姫が、恥ずかしいのか目を逸らしながら挨拶をする。
「あぁ、おはよう。」
俺は昨晩のことを思い出していたが故に反応が遅れる。
すると、
「さ、昨晩は可愛がっていただき、あ、ありがとうございました。」
と俺が考えていたことと重なりさらに反応が鈍る。
「いや、わしこそ足りないところがあって悪かった。そうだわしはこれから稽古がある、先に失礼する。」
そう言ってとりあえずあの場を離れた。
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