第6話 婚約

一週間ほど時は経ち、俺と麗姫の結婚式が行われた。現代とは違い華々しさはなかったがいつもと違う麗姫に心を奪われた。厚めの化粧で幼さが抜け少し大人っぽく見える。それが俺に刺さった。

式が終わり十八時ごろになり夕食となる。宴会場に出された料理は料理人が丹精込めて作ったものだと皆んなが感じる。現代の食事と比べると劣るものの、戦国時代にしては上出来だと思うほどだ。

「いや〜信親もついに妻を娶ったか〜。これで男が産まれれば長宗我部家は安泰じゃ。」

と父は幸せそうに言う。

「そうですな、でもまだ殿には頑張ってもらいますぞ。」

側近の忠澄が言う。

「分かっておる。せめて四国は統一しないと隠居はせんぞ。」

と父も今一度意思を家臣に伝える。

などの会話が流れていくうちに隣にいる麗姫が、

「信親様、今夜はいつ頃におそばに上がればよろしいでしょうか?」

と頬を真っ赤に染めながら聞いてくる。

俺は少しずつ言葉の意味を紐解いているとすぐに理解した。

(あっ、この時代って法律なかったわ。)

つまり十歳の俺は十一歳の麗姫と今夜営まなければいけないということだ。

俺は麗姫の質問から少し経って落ち着いて話す。

「風呂上がりで良い。わしはこのあとすぐに風呂に入る。」

と平静を装って言う。

「承知いたしました。」

と言って食事に戻る。

その後夕食が終わり二度の生で初の営みに挑む。

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