第3話 初恋
時は流れ俺は十歳となり長宗我部信親と名乗ることとなる。
「信親そろそろ妻を娶る気はないか?」
とある日の夕食、蝋燭の燈一つの灯りの中、父元親が尋ねる。
「父上少々早過ぎやしませんか?それに相手は見つかっておられますか?」
と俺は冷静に返しつつも内心焦っていた。
(あれっ結婚って大体十五歳とかだった気がするけど…。)
「なんだお前はいい女を見つけてないのか?」
とまるで好きな女性と結婚すれば良いというかのような表現をする。
「いえ、いるにはいますが私が選んでもよろしいのですか?」
俺には思い浮かぶ女性が一人いる。名前は麗姫。その名の通り美しく整った顔立ちの女性だ。全体的に丸みのある顔にパッチリとした目、いわゆる童顔だ。高校二年生で死んだ俺にはドンピシャというところだ。ただ相手が十一歳ということを除けば。
「わしの前にその女とその女の父を連れてくれば考えるぞ。お前の結婚相手を選ぶのは家門の危機を回避する時だけだしな。ハッハッハ。」
父は重い空気を笑いで吹き飛ばす。
「では明日にでも父上の前にお目通り致します。」
「うむ、待っておるぞ。」
そう言って父は寝室へ向かう。
その後俺は、信親が元親に溺愛されていたことを思い出し、今後の人生がより楽しみになった。
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