学院編〈5〉(エレノア視点)

「うっ・・・あれ?、ここは・・・なんで私、寝て・・・」


 目が覚めると白いベットの上で寝ていた私と真っ白な世界が広がっていた。

 そこにはセシルの姿や他の人達(多分、行方不明になってた人達)が居る。


「確か、マーラさんに研究室に来てって言われて・・・」


「はあ、良かった〜〜〜目が覚めてくれて。」


 すると、横から声が聞こえたのでそちらに向くとマーラさんが居た。


「大丈夫?エレノアさん。何処か具合が悪いところは無い?」


「は、はい大丈夫です。少し頭が痛いくらいなので」


「そう、無事で良かったわ。ごめんなさいエレノアさん無理をさせてしまって・・・」


 そう言って頭を下げるマーラさんに私は尋ねた。


「あの、ここは何処何でしょう?」


「はい、ここは私が作った空間でして、魔力欠乏症に陥った子達を保護するための場所です。」


「魔力欠乏症・・・」


 魔力欠乏症とは人の体内にある魔力が急激に減ると魔力を溜める器が急なダウンに耐えれず傷が入るため魔力が漏れて更に身体にダメージを与えてしまう症状だ。


「魔力供給装置を作る手伝いをしてくれた子達は皆、魔力欠乏症になってしまいまして、私ならこの症状に罹った子達を治せる薬を作れるのですが、生憎と薬草が無く、それにこの空間以外にこの子達が居ると漏れ出た魔力によって、魔獣をおびき寄せてしまうので仕方なく。」


「そう・・・ですか。なら、ナージェラママに頼みましょう。」


「ナージェラママ?あのエレノアさんのお母様はエミリア様では・・・」


「ええそうです。ナージェラママは私に魔法を教えてくれた第二の母であり、世界五大龍の草木などの自然を司る一体でもあるんです。」


「な、なるほど。確かにそのナージェラさんが居ればこの子達を治す薬草を持っているかもしれないですね。」


「そうです!なので、ナージェラママの所に行かないと、でも・・・」


「どうしたんですか?」


「実は一ヶ月ほど前からナージェラママがいなくなってしまったんです。」


「ええ!!!」


「だからナージェラママに会うためにどうすればいいか考えないと・・・」


「う〜〜ん、呼んだ?」


 目の前で症状に罹っている人のためにナージェラママに会いに行くための方法を考えていると慣れ親しんだ声が聞こえた。


「っ!?ナージェラママ!!!」


「っ!?」


「やっほー久し振りエレノアちゃん☆」


 声の正体がナージェラママだと分かり後ろを振り向くとナージェラママのデカい胸に顔を押しつぶされて死にそうになった。


「な、なーじぇらま、ま、しにそう」


「あ、ごめんごめん」


「ぶっっはーーー、ハーハー」


「だ、大丈夫?エレノアさん」


「大丈夫ですよマーラさん。それよりナージェラママ頼みがあるんだけど・・・」


「おーエレノアちゃんからの頼みだったらなんでも叶えてあげよう何してほしい?抱きしめようか?それともキスでもしよ・・・」


「いえ、そういうのではなく魔力欠乏症の薬の元である薬草が欲しいんですけど持っていますか?」


「あーその薬草なら今作ってあげるよ。でもどうしてそれを?今の時代じゃ薬を作れる人が居なかった筈だよ?」


「薬に関してはこちらのマーラさんが作ってくれると言うので」


「え!破壊神ちゃんが作ってくれるの!そういうの専門外じゃなかったっけ?」


「一応これでも神なのでそれに薬を作ることはよく姉の創造神と一緒にやっていたので出来ますよ。」


「ちょ、ちょっと待ってください!え!マーラさんが破壊神?って神様だって本当ですか!?」


「はい、実は私は破壊神です。破壊の神と言っても無闇な殺生などはしませんので安心してください。」


「・・・・・」


「ハハハハハーーー!!!エレノアちゃんがフリーズしてるーーー!!!ハハハハハーーー!!!」


「すみません、驚かせてしまって・・・あれ?」


 すると、白一色のこの空間に黒色の罅がはしった。

 そこから私が一番大好きな人が姿を現した。


「エレノアちゃん!!!!!大丈夫だった?怪我してない?」


 その人、お母様は私を見ると瞬間移動でもしたのかいきなり目の前に現れて私を抱きしめてきた。


「はい、大丈夫ですお母様。心配をおかけして・・・」


「いえ、エレノアちゃんは悪くないのよ。悪いのはあそこで自分は関係ないですよっていう顔をしているナージェラが悪いのよ。」


「なんで!!!?」


 そして、私から離れたお母様がナージェラママに歩み寄った。暗い笑みを浮かべて・・・


「さぁ〜て、ナージェラ、何か弁明でもあるかしら?」


「いやぁーあのー私は悪くないと申しますか、どちらかというとそこの破壊し〔それは言わないや・く・そ・く・よ・ね!!!!!〕はい!!!それでマ、マーラがエレノアちゃんをここに連れてきていたのですます!!!」


「ふ〜〜〜んマーラちゃんがね〜〜〜」


 そして、お母様はナージェラママに向けてた暗い笑み《威圧》をマーラさんにも向けた。


「ひっ!」


「さて、貴方達二人には私から説教をします。私からエレノアちゃんという世界で一番、いえ宇宙で一番、いえいえ生涯で一番大切な存在を一時的にとはいえ失った私の気持ちをたっっっっっっっぷりと語りましょうか。」


「「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!」」


「お母様!程々になさってくださいね!」


「ええ、ええ、大丈夫ですよエレノアちゃん。私はこの二人に暴力を振るうのではなく話で分かってもらうだけですから〜〜〜ね☆」


「「ひぃぃぃ!!!」」


 そして、お母様は二人の腕を取ってこの空間から出ていった。






 ちなみに、薬に関しては後日マーラさんが作ってセシル以下他の人達に持ってきてくれた。

 マーラさんの薬は効果が高く、回復スピードが早い上に、魔力量が元の五倍上がるなどのその人の身体に適した能力値が上がっていたことにさすがは神様だなと私は思った。





 

















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