学院編〈3〉(エミリア視点)

〈エミリア視点〉


「魔法に必要なのは魔力と魔力を操作する力、そしてイメージの3つです。 特に意識するのは魔力を操作し、自分がイメージした形に魔法を創造することです。 魔力の操作を誤ってしまえば最悪、周囲の物たちを巻き込み自分が死んでしまう危険性もあります。 そのため、この授業では魔力操作と魔力を使って魔法を行使する時に周囲に危害が及ばないようにする方法を教えます。 それでは先ず、魔力に関して習っていると思いますのでその復習から行いましょう。 魔力とは・・・・・」


 今、私は教師として授業をしている。

 そして、目の前には私の言葉を真剣に聞いてくれている生徒たちが沢山居る。

 その中にはエレノアちゃんとセシルちゃんの姿もある。

(嬉しいなぁ~、転生してからはエレノアちゃんにだけ勉強を教えてたけど、こうやって教師として授業をするのは初めてだからなぁ〜。 最初は皆、教皇の私が教師として教鞭をとると言った時、緊張で顔を伏せたり、持っているペンが震えてたりしてたから大丈夫かな?、って思ってたけど案外授業が進んでいくと緊張は解けるんだよなぁ〜。)

 その後も順調に授業は進み、チャイムの音が鳴ったので「それでは皆さん、お疲れ様でした。」と言って教室を出ようとしたら皆がエレノアちゃんを先頭にこちらにやって来た。


「お母様、お聞きしたいことがあるのですがよろしいでしょうか?」


「ええ、いいわよ。」


「お母様は何故、この学院に入って教鞭をとっているのですか?」


 私は顎に手を当てこう言った。


「実はね、私はこの学院の生徒だった頃(転生する前のエミリアの記憶で)、人に教えることが楽しくて教師になってみたいと思ったの。 でもね、私はその頃、次期教皇として責務を全うしなくてはいけなかった。 その時にはもう教師への夢は諦めたわ。 でも今回、皆も知っていると思うけど学院での行方不明事件が起こっているじゃない。 それを解決するまでではあるけれど、私は貴方達の教師として楽しくやらさせてもらうわ。」


 目の前の子達は各々で様々な表情をしていた。

 同情の意を示してくれる子達や驚きながらも納得してくれる子達が居た。


「お母様、これからよろしくお願い致します。」


「「「「「「「「「「「「「「「「「「「教皇様、いえ先生、よろしくお願いします!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


 エレノアちゃんと共に皆、一斉に頭を下げた。

 誠心誠意、熱のこもった言葉に驚いたが、それ以上に私は嬉しかった。


「こちらこそこれからよろしくね。」








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