トイレ製作IF


ちょっと下品過ぎかな?と思ったので本編で削除した部分です。

苦手な人はご注意下さい。


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 「アーバン様、今度は何を作っているんですか?」


 工房で便座を前にうんうんと唸っているとオリビエ先生が話しかけて来た。


 「トイレです」


 「トイレですか。え?トイレってあのトイレですか?」


 「そうです。あの用を足すトイレです」


 「トイレに魔道具化出来る要素なんてありますか?トイレなんてどれも同じでは?」


 お?これはもしやオリビエ先生にビデを試して貰える流れに持って行けるのでは?


 「そんな事ありませんよ?例えばこの魔法陣は排泄物を魔力に変換する事が可能です。そうすると匂いも籠りません」


 「おお!トイレの臭いの問題が解決できるのはありがたいですね!」


 「それだけじゃ無いですよ?排泄物は魔力になって消えるので、回収の必要が無いんです。先生だって自分の糞尿を見ず知らずの男性に匂いを嗅がれながら回収されるのちょっと嫌じゃありませんか?」


 「……その聞かれ方が嫌です。かなり変態っぽいです。アーバン様はデリカシーが足りなさすぎると思います」


 おっと、言葉選びを間違えてしまったらしい。

 だがデリカシーがあるからこそ、トイレ問題を解決したいと思っているわけだし、ビデ機能を完成させたいと思っているのだ。理解してほしい。


 「失礼しました。次に水洗機能の説明をしますね」


 「水洗機能、ですか?」


 「このボタンを見て貰えますか」


 「【止める】【おしり】【びで】?【乾燥】と書いてありますね」


 「このおしりボタンを押すと、ノズルが出て来て。そのノズルから水が噴き出してお尻を綺麗にしてくれます。その後に乾燥ボタンを押すと、温風がおしりを乾かしてくれます。どちらも止めるボタンを押すか、便座からお尻を離すと止まる仕組みになっています。ちなみに、乾燥では完全には乾かないので、最後に紙で拭く必要はありますが、力を入れなくていいので肌に優しいですし、紙の量も少なくて済むという利点があります」


 「……なんでトイレにそこまでのこだわりが?」


 「出来るだけ清潔を保つのは大事なことだと思いますよ?」


 「そ、そうですね。ところでこの”びで”というボタンは?」


 来た。


 「それは……女性器を洗う為のボタンです」


 「……アーバン様」


 「違います。別に変態的な思考で設置した訳ではありません。本当です。その目を止めて下さい。これは必要な機能なんです」


 「まぁ、わかります」


 「ただ、俺は男性なので当然女性器はありません。だから角度や水圧なんかの調整が出来なくて困っていたんですよね―――」


 俺はチラ、チラとオリビエ先生の様子を窺う。


 「もしかして、私に試せっておっしゃってます?」


 「出来たら実際に使用してみてアドバイスを頂けたらなぁ…と」


 「……まぁ、ちょっと興味はありますが」


 「あ、出来たらおしりの方を使った感想もお願いします」


 「言葉のチョイス!!わざとやってませんか?!」


 ん?言葉のチョイス?……あ。


 「いやいやいやいや、違います違います。わざとじゃ無いです」


 「もう……それで、どこで試せばいいんですか?」


 「彼方の個室に試作品を設置したトイレを設置してるので、そこで試して頂けると―――」


 「わかりました」


 先生がトイレの設置した個室に入っていく。


 暫く待っていると中から悲鳴に近い声が聞こえた。


 「ひゃん!!」




 「位置はもう少し前で、威力は弱めて、もう少し範囲が広いと良いかもです」


 理由は伏せるが、音ボタンも追加しようと考えながら、俺はオリビエ先生の感想を聞いていた。



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 商標登録されている物の

 表記を変更しました。


 ご指摘ありがとうございます。

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