45話からのIFルート④

 「という事があってね、結局トーナメントは中止、テオ・ツーピーは手元に戻ってきたよ。ボロボロだけどね」


 コーネリアからボロボロになったツーピーを受け取って、ゴーレム魔法で修復する。


 「という事はゴーレムの布教は失敗ですか?」


 「おいおい、話を聞いていなかったのかい?大成功さ。テオやツーピーの制作者が君だと分かれば制作依頼が殺到するだろうね。もちろん兵器として、だけど」


 「ですよねぇ……俺として小型ゴーレムはあくまで玩具の延長なんですけど」


 「アレを玩具というには無理があるね。出力強化の無い状態でもね。まぁ元々ゴーレム魔法は戦闘の時に使用する魔法だから、それを魔道具化した物を戦闘に使うのは普通だと思うけどね」


 「いやいや、実際に玩具として流行したじゃないですか」


 「直ぐに廃れたけどね」


 うぐぅ――


 「アーバン君。キミにゴーレムを兵器として量産するつもりはあるかい?」


 「そもそも玩具としても量産は無理ですね。同好の士を増やしたいから布教して貰っただけですし。あと、噂になれば自分でゴーレムを制作する人間も増えるかなぁ?と思って」


 「それなのに私に布教活動をさせていたのかい?そもそもあんな物を作れるのはアーバン君だけだと思うよ?」


 「次元収納の魔法陣だって頑張ればイケたじゃないですか。ゴーレムだってイケますよ、きっと」


 「国のトップクラスの魔道具師たちが何日もかけて、しかも丁寧な説明書付きで、それでようやく模倣が出来るだけ。しかも1つ作るのに数人で数日掛かると聞いているけどね」


 「最初は何だって模倣からですよ。きっと来年の今頃には俺が作った次元収納の魔法陣に手が加えられて、容量が大きくなったり、消費魔力が抑えられたバージョンが現れて、俺のが型落ち何て言われるようになってますよ」


 「……キミはもっと自分の偉大さを自覚した方が良い。――さてそれじゃ、私は卒業試験の騒動の事を父に知らせる為に手紙を書かなければいけないので、お先に失礼するよ」


 コーネリアが立ち上がって、部室の扉のノブに手を掛けた。


 「そういえばコーネリア先輩。ツーピー用の火の魔法剣が無いんですけど」


 「…………………おっと、次元収納から取り出すの忘れていた。済まない」


 そう言ってリュック型次元収納から魔法剣を取り出したコーネリアは柄をこちらに向けて渡して来た。

 それを手渡しで受け取る時、コーネリアの手にちょっと力が入っていた。


 さては態と出さなかったな?

 コーネリアは魔法剣が大好きだからなぁ……同じくらいロボットに興味を持ってくれると良いのに。

 

 なんとなく逆の事をコーネリアに思われてる気がした。

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