彼女にフラれた俺は今

 放課後の教室、自分の机に突っ伏していた俺は、つい先ほどフラれた時の彼女の言葉を思い出していた。『もうあなたに興味ないの、他に好きな人ができたから。じゃあね』

「…酷くね…?」

 告白してきたのは理世の方だったというのになぁ…。


 まあ、俺が不幸になって理世が幸せになるなら………別に、良くはねぇな…。

「はぁ…」

 結構…好きになってたんだけどな…理世の事。何が駄目だったんだろ、全部…?


「…帰ろ」

 足が重い、っていうか体が重い。…家帰ったら寝よ…。


「はぁ~あ…」

 自室のベッドの上でため息を零す。

 いや、まあ良いけど…幸せになっててほしいなぁ。


「ただいま~…あれ、響谷~?」

 玄関から葵の声がする。…今は起きる気力なんてないんだ、悪いな葵。

 そんな事を思っていると、部屋の扉が開いて葵が入ってくる。

「…ノックくらいしろよ…」

「あぁ、それはすまん。…で、なんかあったんだろ?」

「…彼女にフラれた」

「ぷっ、ざまぁw」

 …此奴に話すんじゃなかった。

「…まあ、ドンマイ響谷。次は良い人が見つかるって、何なら私でも良いんだぞ?」

「お前とだけは絶対に嫌だ」

「酷くね?私36だぞ?大人の魅力全開だぞ?」

「知らん」

「ひっでぇなぁ。…まぁ、私は恋人がいたことが無いから詳しい事は知らないが、フラれたんなら寂しいだろ?」

「…まぁな…」

「代わりになる…って言うのも違うと思うが、私ならお前が望む限り傍に居てやる。慰めて欲しいなら慰めてやる、望むことを言え、出来る限り叶えてやるから」

「…あぁ…じゃあ今後一週間の家事を頼んだ」

「…おうよ、任せとけ。…食材と調味料、適当に使うぞ」

「塩切れかけてるから気ぃ付けろよ」

「んだよ、買っとけ」

「今日買いに行く予定だったんだっての」

「ちょっと元気出たな?」

「え?…あぁ…」


 ―――そして、俺はこの数日後、幼馴染のアブノーマルな一面に遭遇することになる―――。


――――――――

作者's つぶやき:はい、またもや短いです。本編時空以外は基本的に短くなるんですよねぇ…、ほんと、語彙力と想像力の無さで自己嫌悪になりそうです。

まあそれはそうと、次回は菜音さんsideのお話だと思います、そこそこな文字数…まあ、だいたい1000文字前後、出来たらフルサイズ(2000文字)書きます、お楽しみに。

――――――――

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