第2話


 (今日も散歩に行こう)


 すっかり夜も更けてしまい、もうどちらかと言えば朝日が近くなった午前3時。夜の散歩へと向かう為に玄関へと向かう。


 (もう少し早く行くつまりだったのに)


 仕事を終わらせ気付いた時にはこの時間になっていた。今日は止めるという選択肢はある事にはあったが最終的には行く事にした。


 ガチャリと扉を開けて外へと出る。


 (今日は涼しい、散歩日和だ)


 あまりジメジメとした空気感は無く、気持ちの良い夜風が肌に触れる。


 (今日は田んぼ道の方へと行こう)


 そのため、いつもの反射タスキと携帯、そして虫除けスプレーと胸元に道を照らす為のライトを付けて道へと出る。


 (今日は何か有るかな)


 田んぼが近付くにつれて家や街灯が少なくなり胸元につけたライトを頼りに歩き始めた。


 (そろそろスプレーがいるかな)


 虫除けスプレーを全身に撒いて辿り着いた田んぼ道を歩いて行く。


 ゲコゲコ、リッリッなど至る所から虫の鳴き声が耳へと入る。


 上を向けば周りに明かりが無い為か綺麗な星空を見る事が出来る。


 そして足元を冷たい風が通り、脚を冷やしてくれる。


 (良い散歩)


 強いて良くない点を上げるならば道の真ん中を歩いても胸元のライトに釣られて虫が来る事がある程度だろう。


 明るい星や大きな星を眺めて、遠くを走っている車のライトが過ぎ去っていくのを堪能しつつ家への帰路についた。


 (今日は良い夜空だった。次回は何か有るかな)

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