夜の散歩
四葉翠
第1話
ガチャリと音を立てて玄関から外へと出る。鍵を閉めたら今日の夜散歩が始まる。
(今日はジメジメしてるなぁ)
雨上がりの夜だからか湿気が高いのだろう。夜中なのにまだ熱さが残る風を肌に受けながら家の敷地から外へと出る。
環境全てを堪能しつつ歩いていると前から何かが歩いて来た。
(猫だ)
どうやら猫のようだ。白と黒のありきたりな色合いの猫が街灯に照らされてこちらへと歩いて来ているのが見てとれる。
猫は人間に驚いたようにこちらを凝視して警戒をするも警戒の必要が無いと思ったのかはたまた警戒しても意味無いと思ったのか定かでは無いがまた歩き始めた。
それを目で追い、見えなくなるまで眺める事にしたようだ。
尻尾が歩くのに合わせて揺れているのを見ていると6mほど進むと猫はひょいと家の塀へと上りその家の敷地へと降りて見えなくなってしまった。
(今日は猫が見れただけで満足、帰ろうかな)
どうやら今日は満足したらしい。家を出てからここまで15分ほどが過ぎている、別のルートで帰っても40分に差し掛かる前には帰れるだろう。
(帰りにも何か有るかな)
特に何も無かった。あるとすれば猫を一回見たので他の猫を探して少し首を痛めたくらいだろう。
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