第32.5話 清楚ギャルの怒り
「やっぱり、男ってクソですよねー。」
「あ、あぁ。そうだな。」
そう、死んだ目で俺に問いかける清楚ギャル。
俺も一応男だよ?と思ったが、口に出したら本気で殺されそうなので、ここは黙っておく。
「頼水先輩も男じゃないすか。」
「あぁ、うん。ごめん。」
やはり、俺の夢見たオタクに優しいギャルなんて存在しないらしい。
優しいどころか今にも殺されそうだ。
「ふぅ、とりあえず、追いますかー?」
「あ、あぁ。」
俺はなるべく清楚ギャルの逆鱗に触れない様に注意しながら、まずは都治巳杏里との再会を果たす為、美容・コスメコーナーに行こうと提案する。
俺の言葉に頷いた清楚ギャルも、トコトコと下を向きながら付いてくる。
彼氏のことが相当好きだったのだろうな、と改めて考えるみると、今の状況かなり、不憫すぎる。
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「あぁ、頼水君、加賀美さん!見てみてこれ!」
都治巳杏里は、興奮した様に、大人気女優が載った広告の前に置いてある化粧品を指差して、俺達をみる。
「いや、あの...何してるんですか?」
「えっ?」
清楚ギャルは都治巳杏里を若干睨みつける様に見て、いつもの謎に語尾を伸ばす口調をやめ、冷めた口調で尋ねる。
「先輩、監視するために、ここに入ったんですよね...。雄介出ていっちゃったんですけど。」
「え?!嘘?!」
清楚ギャルの言葉に驚いた表情をみせる都治巳杏里。
やはりコイツ府がわるい。
それに能天気が付いてくるとなると、清楚ギャルのイライラメーターも上限を超えて爆発してしまうことだろう。
「まぁまぁ...。早く彼氏さん追わないと!」
なので、一応俺がカバーしておく。
殴り合いにでもなったら、止まられる気がしないからな。
「はぁ...そうすね...。」
「ご、ごめんなさい。」
やっと空気を察したのか、都治巳杏里が清楚ギャルに謝りながら頭を下げるが、清楚ギャルれ、横目でそれを見ながら、「はぁ...大丈夫です。」といって、歩き出す。
「...やばいわ...。加賀美さん怒らせちゃった。」
「うん、今のは貴方が悪いです。」
「分かってるわよ!そんなの!」
そう、怒り気味で訴える都治巳杏里。
やっぱり女子は怖い。
だが、清楚ギャルはその1段階上の殺気というか...うん。色々と怖い。
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