第83話侯爵夫人の葬儀④
貴族の男達は、アレックとエミリーそしてソフィアの話しがたえる事なく、参列した令嬢達に貴婦人達も同じ話をヒソヒソと話をしていた。
「ねぇ、アレック様の顔…どうしたのかしら…」
「私も驚いたわ…痣かしら?まるで殴られたように見えない?」
「…やっぱり、そうよね…何があったのかしら…」
葬儀に参列した令嬢達はコソコソと話し、他の貴族達もアレックの顔を見て話す者もいた。
「奥様、ソフィア様をお見かけしました事は御座いましたか?わたくしは、ソフィア様がアレック様とご結婚してから一度もお姿を見た事がないのです」
「わたくしも同じですわ…披露宴にもお茶の会にもお姿を見たことは御座いません」
二人の貴婦人の話を聞いていた近くに座っている貴婦人が二人の貴婦人が声をかけていた。
「わたくしは、最近開かれました披露宴に侯爵様とソフィア様の妹のエミリー様が、侯爵様とご一緒にいますお姿を見ましたわ…エミリー様が侯爵様の腕を組み寄り添うお姿にわたくしは驚いてしまいましたわ」
「まあ…」
「それに、侯爵様に声をかけていましたご令嬢をエミリー様が腕を組んだまま侯爵様のお側を離れなくて、会話もなくご令嬢は離れていましたわ。エミリー様は侯爵様の耳元でお話をして、お二人が笑みを見せます姿がまるで…こほん、おしゃべり過ぎましたわ…」
「…二人の姿がどうしたのです?」
「…ここでは、お話ができませんわ…続きが気になりましたら、午後からでもわたくしの屋敷でお話の続きでも?」
「ええ、勿論伺いますわ」
「わたくしも宜しいかしら?」
貴婦人達はアレックとエミリーの話で会話がはずみ、葬儀は終わりをむかえようとしていた。
集まった貴族がいなくなり、教会の中では両親とアレックとエミリーそして医師が残りソフィアの周りは静かになった。
「…娘の顔を見るのは今日で終わりとは…」
父親はソフィアの頭を撫で別れを惜しんでいた…
「…侯爵…」
「は、はい…」
「葬儀の費用は私達が支払う、侯爵は何もしなくていい…」
「え!?」
アレックは父親から葬儀代は払わなくていいと言われ驚いていた。
「お…お義父さん…ですが、ソフィアはパルリス家の妻です。葬儀の費用は夫の私が出すべきです」
「……夫…」
呆れたような声を出す父親にアレックは戸惑った。
「…昨日、エミリーが妊娠の知らせを聞き直ぐに離婚届けを出し、ソフィアとの離婚が成立したそうだな…」
「!…ぁ」
アレックは、母親の側で俯くエミリーの姿を見て父親に離婚が成立した事を話したのだと頭を下げた。
「…も、申し訳御座いません…早くお伝えしなくてはと思いましたが…お話をする機会が…」
「そんなに怖がる事はない、と、言っても君にその様な顔にしたのは私だから無理もないが…私は、侯爵に礼を言おうとしていたんだ」
「…お礼…ですか?」
アレックは顔を上げ父親を見ていた。
「娘のソフィアと離婚をしてくれてありがとう」
「!?」
笑みを見せてアレックにソフィアと離婚した事を父親はお礼を言った。
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