第73話真実を知ったとき…⑰

《★注意!暴言暴力あり》

ガタガタ…部屋の中から物が倒れる音を聞き、廊下では部屋の中に入っていいのか悩んでいるメイド長がメイド達と一緒にいた。

「…さっきから部屋の中から物音と怒っているような声が聞こえるけど…」

「何かあったのでしょうか?メイド長…」

「…そうね…」

(この声は…医師様でもリチャードさんでもない…奥様のお父様の声!?……中では何が…)

メイド長は戸惑っていた。

部屋の中では、父親から殴られ倒れての繰り返すアレックの姿を医師と執事はどうする事も出来ず、父親が落ち着くのを待つばかりだった。

「…奥様…辛いと思いますが…これは旦那様が今まで奥様と向き合う事を拒み続けました酬いを奥様のお父様から受けているのです…」

「……」

執事はソフィアに声をかけ父親とアレックの姿を見ていた。

「…っ…うぅ…」

アレックの顔は痣が幾つもでき、口元は血が流れ整っていた顔は見るかげもないほど痛々しいほどだった。

「痛いか?…娘の傷みはこんなモノではない!生涯を誓った夫の裏切りと仲が良かった妹の裏切りを知りながら、今まで生きて来たソフィアがどんな思いでお前達を見ていたのか……私は…ううっ…」

手を口元を押さえて父親は涙を流した…

エミリーは涙を流し母親から支え父親に声を上げた

「…ひ、酷い…私の旦那様に……」

「旦那様?」

ピクッと父親の険しい顔がエミリーに向け、歩き母親と一緒にいるエミリーの腕を掴み上げた。

「きゃーっ!?痛い!!お父様やめて赤ちゃんが…」

「お父さん!」

「つ…」

父親は母親の声でエミリーの掴んだ手を離しエミリーは声を出して泣いた。

「わああ~っ、お父様なんて嫌いよ!私は何も悪くないのに…私はお姉様の替わりに身籠ったのよ…そうよ、お姉様が悪いのよアレックに振り向いてくれないからって死ぬなんて狡いわ!!」

「こ…!」

父親は反省をしないエミリーに手を上げようとした…

「やめてください!」

医師の声にソフィアの家族は静かになり医師は小さく息を吐いた。

「…ソフィア様がお休みになっているのです…ご家族での話しは他の部屋でお話しください…」

医師の話を聞いた父親の顔が、怒りから哀しみに代わりふらふらと娘の側へと歩いていた…

「……ソフィア…ソフィア…すまない…すまない…」

父親は冷たくなった娘の頬を触り何度も謝っていた。



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