第67話真実を知ったとき…⑪

ガラガラ…と、一台の馬車がパルリス家に向かっていた。

「……ぅ…うぅ…」

「……」

馬車の中ではソフィアの両親が乗り、側にはメイド長が座っていた。

「…ソフィアが…まさか…うぅ…っ」

母親は声に出し涙を流しまだ、娘の死を信じていなかった。

「……本当に娘は…ソフィアは…」

父親は何度も確認するようにメイド長にソフィアの死を確認していた。

「……奥様は…最後まで、わたくし達使用人に気遣っておられました…奥様は…パルリス家にいなくてはならない存在のお方でした…」

メイド長は涙を拭いソフィアの話をした。

「…何度も言うが…とても信じられん…最近まで娘と手紙のやり取りをしていたばかりだと言うのに…」

「…手紙…」

メイド長はソフィアから手紙を預かっていたのを思い出していた。

(奥様の急な知らせに旦那様に手紙を渡すのを忘れていたわ…ご両親に渡した方が…でも、奥様は旦那様にお渡しするようにと…)

メイド長は、ソフィアから預かった手紙を両親に渡すべきなのか悩んでいた…

「…娘の…ソフィアの死因はなんですか?」

「え…」

「妹のエミリーが数ヵ月…いや、半年もそちらにお世話になっているが…エミリーからソフィアが亡くなるまで何も連絡がなかった。だから、手紙にエミリーが早く帰るようにと書いて送ったんだが…まさか…ソフィアが……」

「?」

メイド長は父親の話を聞いて「え?」と思う話があった。

「あ、あの…エミリー様はお屋敷にお帰りになりました事はないのですか?」

「この半年は…一、二回は顔を見せに来たと思うが…私がいない時に帰って来たのかもしれないが…母さんエミリーは帰って来たのか?」

「え…ズッ…あ、ごめんなさい…私はお父さんと一緒にいます時にエミリーがアレックさんに洋服をプレゼントしてくれましたと喜んで見せに来てから…その一週間後に来ました時も、アレックさんから洋服を貰ったと言って見せていましたけど…その時に暫くソフィアの側で暮らしたいと話していましたから…」

「私達も侯爵の許しもあって暫くはと思いソフィアが一緒ならと安心だと…」

涙を拭う両親を見ていたメイド長は、アレックが留守の時にエミリーは何処で寝泊まりしていたのかと首を傾げていた。

「すまない…話がそれてしまったが、娘はどんな病でこの短期間に亡くなったのですか?」

「……わたくしの口からはお応えする事はできません…全ては旦那様にお聞きください…そして、奥様のお姿を見ましたら分かりますので…」

「……そ、そうですか…」

メイド長は両親に頭を下げ、直接ソフィアの姿とアレックに死因を聞くようにと両親に話終え、馬車はパルリス家に着いた。

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