第58話真実を知ったとき…②
《★痛い表現があります》
アレックが、ソフィアに離婚の話をしたとメイド長から聞いた医師とメイド達数名は驚いていた。
「え…離婚?旦那様が奥様に?!」
「あの…メイド長、さっきの話は本当に…」
医師は驚いたままメイド長に確認していた。
「はい…医師様がお帰りになりました後に奥様に離婚のお話をいたしました…」
「……ア、アレック様…奥様に離婚の話を…」
「…メイド長が話した事は本当だ…俺は…妻に離婚をしてくれと言った…」
「!!」
アレックは膝に置いた両手を重ね、医師にソフィアに離婚の話をした事を打ち明けた。
「…な…何故ですか?何故そのような話に…私がいました時はそのようなお話はなかったではないですか…」
「……エミリーが…妊娠した…」
「はい、知っています…」
「……エミリーのお腹の子は…私の子を身籠ったんだ…」
「!?」
メイド達は驚き、アレックはギュッと両手を握りしめ医師に告白をした。
「は?…今…」
「エミリーは私の子を身籠っているんだ…だから、私は…妻に離婚をしてくれと話をした…」
「な……!?」
ガシッとアレックの服の襟を掴み上げた医師は、ソファーに座っていたアレックを立たせアレックの顔を殴り倒した。
「バキッ!!」
「きゃっ!?」
ガタガタとソファーに躓き倒れたアレックにメイド達は驚き声を上げた。
「……っ」
床に体を倒し、殴られた頬の口元をアレックは手で拭い…顔を上げる事が出来なかった。
医師がアレックに手をあげたのは初めてだった…十歳程年が離れている医師は、アレックにとって兄のような存在だった。
「…貴方は…奥様がいながら…それも…奥様の妹に手を出すとは……」
「……」
「……おかしいと思うところは何度もありました…エミリー様が貴方に寄り添う姿に…奥様が体調不良でも奥様を一人残し二人で出て行く姿を見て不可解に思う事もありました…それが…」
医師は両手を握りしめ体の震えが止まらなかった。
「……」
「…奥様の体調不良が続いていたのは…貴方とエミリー様が原因だったのですね…」
「え…」
アレックは苦痛の表情を見せる医師を見て医師の目には涙を溜める姿があった。
「奥様は貴方と妹のエミリー様との関係を知ってお一人で心を傷めていました…私は、奥様がお子様の事でお悩みだと思い、奥様にアレック様とお話をしましょうと申しました…今やっと分かりました…奥様が私に話したくても話せない理由が…あなた方だった事が…」
医師は悔やむように涙を流していた。
「…すまない…私が妻を…」
「…奥様は私に子供が欲しいと涙を流していました…ですが、奥様は諦めていました…貴方との子が望めない事を知っていたようでした……」
「う…ううっ…ソフィア…すまない…すまない…」
アレックは体を倒したまま床に頭を着け何度も声に出しソフィアに謝った…パルリス家の主人としてではなく夫として妻のソフィアに謝った…
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