第57話真実を知ったとき…
「…あの…奥様は仕事以外出掛けられた事がないとは…最近の奥様は体調を崩されていましたが、それ以前はお出掛けになったりとかされていたのではありませんか?貴族で集まる場もあったと思います…私も披露宴には行きましたがアレック様がいましたのを覚えています…知人が側にいましたのでご挨拶が出来ませんでしたが、ご夫婦での参加だと聞きましたから奥様もご一緒かと…」
「……」
医師はメイド長に話をするとメイド長は、ソファーに座り俯くアレックを見て医師に話し出した。
「…披露宴には奥様の代わりにエミリー様が旦那様とご一緒でした」
「エミリー様が?」
「…奥様の代わりに披露宴と事業での社交場には旦那様はエミリー様をお連れしておりました…」
「はあ?!」
医師はメイド長の話を聞き『何故エミリー様が?』と混乱していた。
「…お茶会はエミリー様は夫人の方々にはお会いしておりませんでしたので…奥様は仕事で忙しくわたくし達がお断りをしておりました」
「…何故エミリー様が奥様の代わりに行かれるのですか?そんなに仕事が忙しかったのですか?」
「…奥様は…披露宴と社交場がありました事をほとんど知らないと思います…奥様がお仕事で店に行かれています時に、旦那様とエミリー様が披露宴と社交場に向かわれお帰りが遅い日などは奥様には行き先をお知らせしておりません…後から奥様にお聞きしました時は知らないご様子でした…」
「……」
医師はメイド長の話を聞き茫然としていた。
「…か、買い物などは奥様の服は本当に…」
「…奥様は旦那様とお出かけをする事は一度も御座いませんでした…屋敷とお仕事であります店に行きますぐらいで…一度だけ服を買いにメイド達と出かけました…」
「……」
医師はソファーの上に座るアレックの方へと歩いた。
「…アレック様、メイド長から話は聞きましたが…本当ですか?奥様と出かけます事も披露宴に社交場など…奥様は貴方とこの一年の間…」
「……ない…妻と一緒に行く事は…」
アレックは下を向いたまま医師の顔を見れずにいた。
「で…では、奥様は…屋敷内で過ごされたと…」
「……」
「…披露宴が数回ありました…それもエミリー様が?」
「……」
「…他国からの披露宴もありました…それもエミリー様ですか?」
「……」
「他国からの披露宴は国ごとの言葉が違います…エミリー様はお話はされたのですか?」
「…いや、私が幾つか話せるだけで…」
「その間エミリー様は何をしていたのですか?」
「…側にいるだけだが…」
「何故奥様をお連れしないのですか?…お店を奥様に任せている様子でしたが…本来なら奥様をお連れするべきではありませんでしたか?」
「……」
医師の責める声にアレックは何も言えずにいた…
医師とアレックが会話をするなかメイド長は、屋敷内にいる全員にソフィアの死を知らせるようにと一人のメイドに伝え、残ったメイド達とソフィアが着る服とソフィアの側で泣いているメイドを見ていたメイド長はソフィアの側へ行き声をかけていた。
「奥様…医師様に…使用人の皆にお知らせしても宜しいですか?」
メイド長は目に涙を溜めソフィアに許しを貰っていた。
メイド長は、ソフィアの側を離れアレックと医師の側へ立っていた。
「…医師様、お話が御座います…」
「話ですか?」
「…今日、旦那様は奥様に離婚のお話をされました…」
「…は?…離婚!?」
「!!っ…」
「え?旦那様が…離婚?」
「え…」
「嘘…」
医師とメイド達は驚きアレックは何も言えず下を向くだけだった。
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