第2話両家の結婚式

ソフィア・ルモアは伯爵家の四人家族の長女として生まれた。

妹のエミリーとは二歳違いの姉妹仲良しで一緒に遊ぶ事が多かった。

「おねえちゃまとお揃いのお洋服が良い!」

妹のエミリーは姉のソフィアが大好きだった事もあり、両親を困らせては思っている事を言う我が儘なところもあった。

末の娘でもあり、両親はエミリーを可愛がっていた。

姉のソフィアは妹のエミリーと違い内気な性格でもあり、言いたい事を言えないところもあった。

姉のソフィアが苛めに合うと大人を呼びに行き、妹のエミリーが勉強が苦手なところは姉のソフィアが教え、お互い助け合う仲が良い姉妹だった。

月日が流れ、姉のソフィアが二十歳になった頃縁談の話が勧められていた。

「相手は、最近亡くなった当主の跡継ぎとなった侯爵家の一人息子のアレック・パルリス侯爵だそうだ」

「まあ、どうしてその侯爵様がソフィアを?妹のエミリーでも良かったのではありませんか?」

「え?私!?」

「…いや、エミリーでは駄目だそうだ…今の侯爵は亡き父親の跡を継いでいる…仕事が忙しく書類などを手伝う事ができるソフィアにとの希望だ…勉学が得意なソフィアを誰かが話したのだろう」

「……」

「ソフィア、お前は既に二十歳になっている…侯爵はお前と同じ二十歳だと聞いた。

他の令嬢との縁談を断わりお前を選んでくれたパルリス侯爵との縁談を受けてくれるか?」

「…はい、お父様」

ソフィアはアレック本人が自分を選んでくれたと聞き内心は嬉しく思った。

「おめでとう、ソフィアお姉様」

「ありがとう、エミリー」

「時々、お姉様に会いに行くから」

「ええ、待っているわ」

アレック・パルリス侯爵とソフィア・ルモア令嬢の結婚式が行われた。

アレックとソフィアは式の当日初めてお互いの姿を見た。

仕事で忙しいアレックはソフィアと婚約してからも一度も会った事はなかった…アレックはソフィアの事を家庭を作る妻ではなく、仕事のパートナーとしてソフィアを迎え入れた。

「きゃ~っ!お姉様凄く綺麗~っ!!」

「…ありがとう…」

「いいな~っ、私も結婚式のドレスが着たいな~っ」

「エミリーも、いい人がいれば……」

「私、アレックお兄様と結婚したいな~っ」

「え…」

側にいたアレックの腕を組んだエミリーは、笑顔でアレックを見上げていた。

「…寝癖が直っていないな…」

「ええ~っ!?もう、アレックお兄様ったら」

「……」

ソフィアは、アレックの腕を組んでも離さないエミリーと…その様子を笑みを見せて会話をするアレックの姿をソフィアは見ている事しか出来なかった…

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