episode: 006『02 帚木アンダーナイト ~平安京で繰り広げられる恋のかけひき~』

「光源氏」って聞くと、みんな「イケメン王子様、登場!」って感じで想像しちゃうよね。

「モテモテ日記」でも書きそうな、華やかな恋愛ライフを送ってそう。


 でもね、実際の光くんってば、意外とシンプルライフ好きの青年だったんだ。

 しかも、「後世に変なウワサ残したくないなぁ」って思って、恋愛事情はけっこう内緒にしてたの。

 なのに、こんな話が広まっちゃったのは、世間様がゴシップ好きすぎるからなんだよね。


 マジメ系光くんは、実はロマンスとかそういうのにあんまり興味なかったんだ。

 エロ小説の主人公みたいな交野の少将なんかに比べたら、「おいおい、モテ期逃してんじゃねーよw」って笑われちゃいそう。


 中将になった時も、光くんは主に宮中の当直室で過ごしてたんだ。

 義理のパパんち(左大臣の家)にもたまにしか行かないから、「もしかして、ヒミツの彼女がいるのか?」なんて疑われちゃったりして。

 でも、光くんったら、「プレイボーイ生活? お断りです!」って感じだったんだよね。


 ただし、たまーに「普通じゃない恋」にハマっちゃったりするんだ。

「簡単には落ちない相手」に一目惚れしちゃうみたいな。ちょっとM入ってる?


 梅雨の時期、天皇様が「自粛モード」に入っちゃって。

 お付きの人たちも「家に帰れません! 泊まり込みです!」ってことになって。

 そんな日々が続いて、光くんも「またまた宮中合宿~」って感じになっちゃったの。


 義理のパパんちでは、「あらら、うちのムコ殿またこない...」って思ってたけど、それでも「新作ファッションアイテム」とか「超高級グッズ」を光くんの部屋に送り続けてたんだ。

「これで気に入ってもらえるかな?」って感じで。


 左大臣の息子たちったら、「宮中の仕事? まぁいいか」って感じで、光くんの部屋に出入りすることの方が大事そうだったんだよね。

「光くんと仲良くなりたい!」みたいな。


 その中でも、宮様の息子のとうの中将が光くんとベストフレンドになっちゃって。

 ゲームするにしても何するにしても、「光くん&とうくんのコンビ最強!」みたいな感じ。

 周りの人は「私たちも混ぜて~」って感じだったかも。


 とうくんも、大事にしてくれる義理のパパんち(右大臣の家)に行くのは苦手で、「恋愛ゲーム」の方が好きだったんだ。「義理のパパより恋人?」って感じかな。


 普通、結婚したら「嫁の実家住み」が多いんだけど、とうくんは実家に超オシャレな部屋を持ってて。

 光くんが来ると「はい、付いていきまーす!」って感じで。

 昼も夜も、勉強するときも遊ぶときも「光くんと一緒♪」だったんだ。


 もう遠慮とかなしで、「源氏さま」とか言うの忘れちゃうくらい仲良しになっちゃってたの。

「親友!」って感じかな。


 梅雨の日、朝からずーっと雨。夕方になって、宮中もなんか静かめ。

 光くんの部屋も、いつもよりシーンとしてて。

 二人で灯りつけて本読んでたら、本棚に「カラフルな封筒」が!

 とうくん、「なになに? 女の子からのラブレター?」って超気になっちゃって。


 光くん:「まぁ、普通のやつなら見せてもいいけど...。ちょっと恥ずかしいのもあるしね」


 とうくん:「いやいや、光くんが『ちょっと...』って思うやつこそ見たいんだって!

 普通の女の子からのラブレターなら、僕にだって山ほどあるし。

『あんたなんか大っ嫌い!』みたいな恨み節とか、『今夜、来てくれないかな...?』みたいな色っぽい誘いとか、そういうのを見てみたいなぁ。面白そうじゃない?」


「しょうがないなぁ」って感じで、光くんも観念。

「マジで大事な手紙なんて、誰が盗むかわからない棚に置くわけないしね。

 これくらいなら見せてもいいか」って許可を出しちゃった。


 とうくん、ちょっとずつ読んでいって、「おお~、いろんなタイプがあるねぇ」自分の想像だけで、「これはあの子かな? これはあの人かな?」って勝手に推理し始めちゃった。


 たまに「当たり!」みたいなのもあれば、「全然違うよ~」ってのもあるのに、とうくん、妙に自信満々で推理を続けるの。


 光くん、「ぷっ」って思いながらも、「まぁまぁ」って感じで適当に相手してて。

 そしてさり気なく、全部の手紙をとうくんから取り返しちゃったの。

「これ以上読まれたら、マズイかも...」って感じかな。


 光くん:「ねぇねぇ、とうくんこそたくさんラブレター持ってるんでしょ?

 ちょっと見せてよ。

 そしたら、僕の全部見せてあげるからさ」


 とうくん:「えー、僕のなんて、光くんが見るほどのもんじゃないよ~」


 こんな感じで、とうくん、急に「女の子論」を展開し始めちゃったの。


 とうくん:「完璧な女の子なんて、マジでレアだってやっと気づいたよ。

 上手な文章書いたり、『わかるー!』みたいな感じで共感してくれる子はいるけど、そこだけを見て『いい子だ!』って思っちゃうと、結局『合格点』に達する子ってほとんどいないんだよね。


 ちょっと知識があるだけで調子に乗っちゃって、他の人を見下しちゃうような意地悪な子って多いんだよね。


 親がずっとついてて、大事に育てられてる間は、男の子って、その子のほんの一部しか知らないのに、「きっとこんな子なんだ!」って、勝手に想像で補っちゃって恋しちゃうんだよね。


 顔がかわいくて、お嬢様っぽくて、他にすることないんだから、そういう子なら、一つくらいは特技があってもおかしくないよね。


 そういう特技ができると、仲介役の人が「いいとこどり」で紹介しちゃうんだ。

 欠点は隠しちゃって。

 そんな時、「いや、それウソでしょ」なんて、こっちも勘で判断できないよね。

「きっと本当なんだ!」って思って結婚しちゃうと、そのあと、だんだん「あれ?」ってことが出てくるのは避けられないんだよね。


 とうくん、急に恋愛マスターみたいになっちゃって、「恋愛の真実」を熱く語り始めたの。

 光くんも「おいおい、そんなに詳しかったっけ?」って感じで聞いてたんじゃないかな。


 この後も、とうくんの「女の子論」は続いていくんだけど、二人の会話を通じて、平安時代の恋愛事情や、当時の男性たちの女性観が垣間見えるんだ。

 現代とは違う価値観もあるけど、「理想の相手」を求める気持ちは、今も昔も変わらないのかもしれないね。


 とうくんがため息つきながらこんなこと言ってると、光くんも「まぁ、そうだよね」って感じで薄笑い。光くんは普通の「婚活失敗組」じゃないけど、なんか共感できるところがあったみたい。


 光くん:「ねぇ、今言ってた『特技が一個くらいある』ってレベル、それすらない子っているの?」


 とうくん:「いやいや、そんな子のとこに最初から誰も騙されて行かないでしょ。『何もできない子』と『パーフェクトな子』って、同じくらいレアだと思うよ。

 お金持ちの家に生まれた子は、みんなから大事にされるから、欠点も目立たないんだよね。そういう子たちはちょっと別格かな。

 俺たちが本当の個性を見られるのは、中流クラスの子たちなんじゃないかな。

 それより下のクラスの子たち? まぁ、正直あんまり興味ないかな」


 とうくん、なんかすごく通ぶってて、光くんは「もうちょっと聞いてみようかな」って思ったみたい。


 光くん:「じゃあさ、その『上・中・下』クラスってどうやって分けるの?

 例えば、元々いい家柄だけど、今は親がしょぼい役人で貧乏な子と、普通の家から出世して、今はお金持ちで貴族みたいな暮らしをしてる家の子、こういうのはどっちのクラスになるわけ?」


 光くんがこんな質問してる時に、左馬頭さまのかみ藤式部丞とうしきぶのじょうが、「光くんの自粛パーティーに参加しよう」って感じで現れたんだ。


 左馬頭って、「イケてる男子」として有名だったから、とうくんは「やった! 話が盛り上がるぞ!」って感じで、さっそく話に引き込んじゃった。


 そこからは、ちょっとヤバめな話もポンポン出てきちゃって...。


(つづく)

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