第4話 異種族との交流と身体検査
翌日からリリは新しく越してきた異種族の担当になった。
身体検査の道具は、自分の魔力を移した手鏡だ。
これを用いて検査を始める。
脇には勿論、相方のアイリスが居る。
アイリスは記録係、リリは検査及び調査をしていた。
窓から強い日差しが差し込み、更にリリは腹を空かしていた。
もう間もなくお昼だ。胃に何か流し込まなければ。
その前にモールド全員の検査を終わらせなければならない。
リリはペースを上げた。
トップバッターから最後のひとりまで、異常はなかった。
モールドの少女は言う。
「ありがとう、リリ。これ、私が作ったクッキー。食べてね、美味しいよ」
リリは素直に受け取った。
「ありがとう。それじゃ、私は魔法師センターに戻ります。何かあればセンターに直接お電話お願いします」
リリはモールドに見送られながら移動魔法を使った。
一方、魔法師センターではサイレンが鳴っていた。
緊急事態が発生しているのだ。
リリは先に帰ったアイリスをさがしたが、見つからない。
センターの照明のほとんどが破壊され、屋内は暗くなっている状態だ。
遠目にカーテンの下の部分が燃えているように、リリには見えた。
間もなく、机の下からアイリスが出てきた。
「さっき検査したのはただの異種族じゃない。黒魔術師だったのよ。見事にこちらの信頼を裏切ってきたわね」
リリたちにとって、もう黒魔術師や黒魔女は敵なのである。
リリはアイリスと背中を守り合いながら、黒魔術師を倒していく。
それも、大人だけ。
リリにはクッキーを貰った恩があるので子供は狙えなかった。
後に、黒魔術師と黒魔女は北部から来た反逆者であることがわかる。
一方で、リリが鞄に入れていた袋の中のクッキーを取り出した。
クッキーは紫色に変色して光っている。
空腹を覚えたリリは鞄から出したクッキーの異変に気付いた。
今朝検査した異種族は皆黒魔術師か黒魔女だったのである。
次の更新予定
毎週 金曜日 20:00 予定は変更される可能性があります
魔法師リリは騎士団長に溺愛されています 色咲鈴子(しきさき・りんこ) @peeepop202212
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。魔法師リリは騎士団長に溺愛されていますの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます