第2話 魔法律では許されているのでセーフ?
魔法師は特に同じ地域の人と同棲や結婚をしてはいけないわけでもなく、付き合ってはいけないわけでもなく、魔法律上許されているので問題はない。
しかし、騎士団長のセオに同棲を求められても、どうしても素直に「はい」とは言えなかった。
これには恋バナ好きな隣席のアイリスは黙っていられなかった。
「素直になりなさいよ、リリ。私だったらすぐ行くわよ?」
「色々恥ずかしくてまだ心の決心がつかないのよ、アイリス」
それに、とリリは続ける。
「どうしてわたしなのかがわからない。騎士団長様とあろう御方が。私じゃなくて、上級貴族の娘と一緒になればいいのに」
「それは直接本人に聞いてみれば?」
「そうね。今日の帰りに聞いてみるわ」
リリは直接ではなく、伝書鳩を介して聞いてみた。
セオからの返事はこうだった。
「私利私欲にまみれた貴族の娘たちよりも純粋な心を持っていて真面目な君に恋をしたから。正直、貴族の娘たちにはうんざりしているんだよ」
そして手紙のラスト数行は、リリへの一途な思いがそのまま書かれたものだった。
「こうゆう提案はどうだろう? 内密な同棲というのは。俺とリリの関係を知っているのは魔法師センター職員と俺の信頼している騎士仲間のうちの1人だけというのは、どうだろうか? そしたら貴族たちに知られなくて済むだろう?」
すぐにリリは羽根ペンを持って返信する。
「わかりました。そういった背景がおありなのでしたら、騎士団長様の仰る通り同棲に同意します」
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