第28話撃退ですわ!
「へはふーーん」
口を開け、言語にもならない鳴き声をあげながら
祐は学園を散歩する
「ペむぺむーーんめ」
「・・ぁ」
「うん?」
愛しき人が住んでいる所から小さな声が聞こえた
「・・・」
静かに部屋へと近づく
「・れかーー」
「誰かいます?」
「その声は祐!!助けて!!」
聞き覚えのある声が耳に入ってくる
「その声は瑠梨さんですか!」
「そうです!牢屋の鍵を開けて貰えませんか!」
「・・・・何故牢屋に!」
「その、、天満の部屋でえっと、、」
「聞き取りにくい!もっとハッキリ喋って下さい!」
愛しき人の部屋がある場所へと入ると
「あ」
「ここの鍵ですか?西華が持ってそうですね」
「じゃあ。僕まだ出れない?」
「そうゆうことになるわね」
ズーーンっと言う効果音が聞こえてくるかと思うほどに、瑠梨は落ち込む
「というか何故ここに?」
「寝てて、、あの、、一緒に」
「・・・まああまり聞かないでおきましょう。私の精神が壊れるかも知れませんし」
「ガウガウガウガウ!!!!」
「!!」
「ピゥ!」
急に狼の置物が吠え出し、それに驚いた祐は、体が後ろへと跳ねる
そしてその瞬間、目の前に剣が振り下ろされた
「!」
硬い地面に剣が当たり、ガン!と言う硬い音が響く
「敵ですね」
剣を振り下ろした者を敵と認定した瞬間、祐の両手にガンナックルが出現する
「顔面に10発で許して差し上げますわ」
「・・・」
敵と目を合わせる
横の幅は狭く、人が二人でぱんぱんになる狭さだ
天井までも近く、大体、エレベーターの扉1枚半ぐらいの高さだ
そして相手の武器は大剣、小回りが利きにくい武器だ
で、祐の武器はガンナックル。ほぼ拳な為、小回りは相当利く
「・・・」
「・・・」
両者は見つめ合ったまま、動かない
(私が何回も攻撃しないといけないのに対して、相手は一撃。取り回しがしにくいとはいえ)
「一撃だけは振るえますわね」
体を地面スレスレにまだ降ろし、急速に顔が見えない犯人へと体を近づける
「ッ!」
「まずはボディ一発ですわ!!」
左拳が犯人の脇腹に食い込む
「離れませんよ!」
距離を取ろうとした犯人に対して、もう一発ボディに叩き込む
「跪きなさい!!」
相手の膝に蹴りを叩き込む
「ッ!」
「頭がお留守ですわ!」
犯人の後頭部目掛けて、拳を落とし
ダン!!
痛そうな音を立てながら、地面に犯人が叩きつけられる
「あら、一発で終わってしまいましたわ」
「・・・」
犯人の顔は地面とキスし、その場で気絶している
「その者を拘束せよ」
瑠梨がどこからか見つけた杖で、拘束する魔法を発動させるが
「あらあら」
「違う!違う!そっちじゃない!倒れている方!!」
対象の指定を間違え、祐の方を拘束してしまう
「これが拘束魔法ですか。抜け出せません」
「ごめんなさい!!いつもと杖が違って!!」
「いいですわ。とりあえず。今倒れている人を早く拘束してください」
「その者を拘束せよ」
再度魔法を発動するが
「・・・」
「ごめんなさい!!」
祐は2重で拘束された
「その牢屋から出た後、、分かっていますわよね」
「本当にごめんなさい!!」
瑠梨は涙目になりながら、杖を握り。もう一度発動させようとした時
「・・・・この人、、生きてますか?」
「え?」
いきなり不穏なことを言う瑠梨
「いや、拘束魔法って確か。死体とか人形とかには発動しないんですよ。私の拘束魔法は」
「・・・私の一撃の当たりどころが悪かったのでしょうか?」
そんなことをしていると
「ただいまーー、、なにこの死体」
部屋の主が帰って来た
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます