第26話迷宮狂い、連行される

「豪華な歓迎ですね」


「・・・お前何した?ただ逃げ出しただけで、こんなに来るか?」


(うわ、俺をボコボコにした奴らも来てるじゃん)


迷宮の周りには、これからSランク迷宮を攻略するのかと思うほどの人達がいた




「飼い主、これ自慢なんだけどさ。俺が本気出せればこいつら全員倒せるのよ」


「あっそ」


「え?興味ない?」


ガチャン!


一人の女性が音を大きく音を立てる




「天満、コアを寄越せ。手に持っているコアを」


「久しぶりですね。俺をボコボコにしたぶりじゃないですか?」


「早く渡せ」


「嫌です」


コアをアイテムボックスに収納する




《アイテムボックス》


迷宮狂いが所持している遺物、物を仕舞ったり取り出せたり出来る


正式名称は別だが、アイテムボックスの方が呼びやすい為、天満そう呼んでいる




「あのコアのランクはAランクだ。拘束具を解かないと取り出せないねぇ!!」


「・・・」


「飼い主。守って」


ガキィン!!


防御系の遺物が起動し、西華を中心にバリアが展開される




「勝手に攻撃して大丈夫か?上官怒るよ」


「お前の腸を引きずり出してやる」


「・・・」


ガキィン!ガキィン!!




(この防御系の遺物、相当優秀だな。自分で動かさないと行けないけど、相当硬い)


「誰も止めに来ないな」


「そうですね。一応この人相当偉い人なんで。降格とか恐れてこないんじゃないですか?」


「そんなもんか」


「グゥ!」


スタミナが切れたのか、その場で女性が膝を付く




「残念。貫けなかったな」


「あれ?あなたそんな遺物使ってましたっけ?」


女性の手には大きめの片手剣が握られている


「あなた確か、短剣でしたよね。メイン武器」


荒く呼吸している女性の頭を、遺物でコンコンと突っつく




「ハァ!ハァ!」


「・・・なんかおかしいな。呪いでも受けたか?」


「遺物狂い。動くぞ」


西華に服を掴まれ、浮かせられる




「猫みたいじゃない?」


「・・・」


西華は一切言葉を発せずに、人だかりの方に迷宮狂いを連れて行く


「零。ほれ」


「え!ア!」


「あれ?飼い主まだどこかへに行くの?」


「まだ踏破してない迷宮があるからな」


西華がその場から離れようとした瞬間、気配を消し。近づいた瞬間




「近づいてくるな」


「いいじゃないか」


「駄目だ」


ピリッとした匂いが鼻を刺激する




「!!」


「離れるのが早いな。じゃあな。また明日」


「毒が邪魔だな」


毒を展開されたら近づけない


だから諦めるしかない




「なんで今の気づけたんだ?」


後ろから零の声が聞こえる


「飼い主なんか別の何かで、俺のことを認識してるのよ」


「別のなんか、、、」


「てか人多くない?俺一応拘束具付いてるのよ」


「外されてた場合、この人数じゃないと足止めが出来ないので」


当たり前でしょっという顔で、こちらを見てくる零




「俺は化け物かよ」


「戦闘能力自体は化け物ですね」


ゴツイ体の男達に両腕を掴まれ、連行される




「この人達は?」


「・・・」


「・・・」


周りの誰も返答を返してくれない


そして明らかにこの場所に合っていない護衛車に乗せられる




「・・・」


「・・・」


刀を持っている知らない男がそこにはいた

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